こんな方にオススメの内容!
- スペインにある全ての世界遺産を知りたい!
- スペインの世界遺産の特徴を知りたい!
- 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
- 世界遺産検定の受験を考えている!
- スペインへの旅行を考えている!
スペインの世界遺産の特徴
イスラム建築様式が見られるコルドバ・メスキータ内の聖堂
登録件数 | 文化遺産:44 自然遺産:4 複合遺産:2 |
---|---|
世界遺産登録件数ランキング | 5位(2024年時点) |
初登録年 | 1984年 |
主な世界遺産 | アントニ・ガウディの作品群、コルドバ歴史地区、トレド歴史地区、他 |
スペインは世界有数の世界遺産大国です!
世界遺産登録件数は、なんと「50件」!(2023年時点)
イタリア、中国に次ぐ世界第三位になります。
ガウディのライバル「モンタネール」の最高傑作「カタルーニャ音楽堂」
ジャンルで言うと、9割以上が文化遺産になります。
スペインの文化遺産の特徴は、キリスト教建造物だけでなく、かつてスペインを支配していたイスラム教の建築物も数多く残っている点です!
そのため、ヨーロッパにいながら、どこから中東の国を旅しているかのような錯覚を楽しむことができます。
他にもローマ時代の遺跡が残る世界遺産や、ヨーロッパのイメージを覆すような大自然を見ることができる自然遺産など、スペインの世界遺産は多種多様です。
スペインの世界遺産一覧(登録順)
ローマ時代の遺跡が数多く残る「メリダの考古遺跡群」
(リンクのある世界遺産は詳細解説に飛ぶことができます)
No | 登録年 | 世界遺産名称 | 分類 |
---|---|---|---|
1 | 1984年 | コルドバ歴史地区 | 文化遺産 |
2 | グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン | ||
3 | ブルゴス大聖堂 | ||
4 | マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地 | ||
5 | アントニ・ガウディの作品群 | ||
6 | 1985年 | アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術 | |
7 | セゴビア旧市街とローマ水道橋 | ||
8 | オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群 | ||
9 | サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街) | ||
10 | アビラ旧市街と市壁外の教会群 | ||
11 | 1986年 | アラゴンのムデハル様式の建築物 | |
12 | 古都トレド | ||
13 | カセレス旧市街 | ||
14 | ガラホナイ国立公園 | 自然遺産 | |
15 | 1987年 | セビージャの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館 | 文化遺産 |
16 | 1988年 | サラマンカ旧市街 | |
17 | 1991年 | ポブレー修道院 | |
18 | 1993年 | メリダの考古遺跡群 | |
19 | サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院 | ||
20 | サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道 | ||
21 | 1994年 | ドニャーナ国立公園 | 自然遺産 |
22 | 1996年 | 歴史的城塞都市クエンカ | 文化遺産 |
23 | バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ | ||
24 | 1997年 | ラス・メドゥラス | |
25 | バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院 | ||
26 | サン・ミジャンのユソ修道院とスソ修道院 | ||
27 | ピレネー山脈のペルデュ山 | 複合遺産 | |
28 | 1998年 | コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群 | 文化遺産 |
29 | イベリア半島の地中海沿岸の岩絵 | ||
30 | アルカラ・デ・エナーレスの大学と歴史地区 | ||
31 | 1999年 | サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ | |
32 | イビサ島の生物多様性と歴史地区 | 複合遺産 | |
33 | 2000年 | タラゴナの考古遺跡群 | 文化遺産 |
34 | エルチェの椰子園 | ||
35 | ルーゴのローマ城壁 | ||
36 | バル・デ・ボイのカタルーニャ風ロマネスク様式教会群 | ||
37 | アタプエルカの考古遺跡 | ||
38 | 2001年 | アランフェスの文化的景観 | |
39 | 2003年 | ウベダとバエサのルネサンス様式の記念碑的建造物群 | |
40 | 2006年 | ビスカヤ橋 | |
41 | 2007年 | テイデ国立公園 | 自然遺産 |
42 | カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林 | ||
43 | 2009年 | ヘラクレスの塔 | 文化遺産 |
44 | 2011年 | トラムンタナ山脈の文化的景観 | |
45 | 2012年 | 水銀の遺産アルマデンとイドリヤ | |
46 | 2016年 | アンテケラのドルメン遺跡 | |
47 | 2018年 | カリフ都市メディナ・アサーラ | |
48 | 2019年 | リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観 | |
49 | 2021年 | プラド通りとブエン・レティーロ、芸術と科学の景観 | |
50 | 2023年 | タラヨ期メノルカ – キュクロプス式建造物の島のオデッセイ |
日本人観光客の多い定番世界遺産
ディズニー映画「白雪姫」の城のモデルにもなったセゴビアの「アルカサル」
言うまでもありませんが、スペインは日本人観光客にも大人気の国です。
そのため、有名な世界遺産には多くの日本人観光客がいます。
そして日本人観光客が多いということは、下記のようなメリットが生じてきます。
- 日本語で書かれたネット情報が多い
- ガイドブックが豊富
- 現地でも日本語で書かれた情報を目にすることができる
- 日本語によるツアーに参加することができる
- いざ困ったときに近くの日本人観光客に助けてもらえる
日本人観光客の多い世界遺産は、主に下記の3都市周辺に集中しています。
- マドリード
- バルセロナ
- セビージャ
以上のことから、もし少しでも安心して世界遺産観光を楽しみたいという方は、上記の3都市を拠点に定番世界遺産を訪れることを強くおすすめします!
アントニ・ガウディの作品群
世界的人気の観光地「サグラダ・ファミリア」
【ポイント】
- バルセロナ市内に天才建築家アントニ・ガウディの作品が点在
- 作品ごとに特色が異なりそれぞれ違った見方を楽しめる
- 作品によってはネットによる事前予約が必須
スペインの世界遺産 = サグラダ・ファミリア(ガウディ作品)
このようなイメージを持っている方が多いと思います。
それだけメディアでよく取り上げられて、世界的にも人気の世界遺産ということです!
海をイメージしたデザインのガウディ作品「カサ・バトリョ」
世界遺産に登録されているガウディの作品のほとんどがバルセロナ市内の中心部にあるため、徒歩で十分周ることができます。
特にガウディ作品の中でも下記の作品は非常に人気であるため、できればネットで事前予約をしておきましょう!
- サグラダ・ファミリア
- グエル公園
- カサ・ミラ
なお、アントニ・ガウディの作品群に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい!【アントニ・ガウディの作品群(サグラダ・ファミリア、他)】世界遺産登録理由や構成資産をわかりやすく解説!プラド通りとブエン・レティーロ、芸術と科学の景観
ブラド通りの名前の由来にもなっている名画が集まる「プラド美術館」
【ポイント】
- 2021年に登録されたマドリード市内初の世界遺産
- マドリードの定番観光スポットが密集したエリアにある
- 大人から子供まで楽しめる名所が盛り沢山
マドリード市内初の世界遺産!
市内の中心部に位置する名称や史跡、通りが世界遺産に登録されているため、バルセロナの「アントニ・ガウディの作品群」同様に徒歩圏内で気軽に巡れるのが魅力の一つです。
現在はマドリード市庁舎として使われている白亜の「シベーレス宮殿」
世界遺産登録の対象になっている主な建物等は下記になります。
- プラド通り
- シべーレス宮殿とその広場
- レティーロ公園
- ソファア王妃芸術センター
- ロス・ヘロニモス教会
- 海事博物館
グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン
アルバイシン地区にある「サンニコラス展望台」から見たアルハンブラ宮殿の全景
【ポイント】
- スペイン南部の世界遺産で最も人気と言っても過言ではない世界的観光地
- スペイン国内でイスラム建築の美しさを最も感じることができる
- 「アルハンブラ宮殿」はネットによる事前予約が必須
スペインの人気世界遺産TOP5に間違いなく入ってくるのが、グラナダにある「アルハンブラ宮殿」です。
厳密には宮殿以外にも、下記のような構成で世界遺産に登録されています。
- アルハンブラ(ナスル宮殿、カルロス5世宮殿、アルカサバ、他):宮殿や城などの総称
- ヘネラリーフェ:離宮や庭園
- アルバイシン:かつてイスラム教徒が暮らしていた住宅街
スペイン本土をイスラム教徒が支配していた時代で、最も最後までイスラム教徒が支配を続けていた都市がまさにグラナダです。
そのため、他のスペインのどの都市よりもイスラム文化が色濃く残っている、非常に特徴的な雰囲気の都市なのです。
アルハンブラのナスル宮殿内にある列柱が印象的な「ライオンの中庭」
そしてアルハンブラ宮殿もまた、バルセロナの世界遺産「サグラダ・ファミリア」同様に、ネットによる事前予約をしておくことを強くオススメします。
セビージャの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館
セビージャ大聖堂(右)と併設する「ヒラルダの塔(左)」
【ポイント】
- スペイン南部観光の拠点となるイスラム文化が色濃く残る都市
- ”スペイン最大規模”の建築物が集まった人気観光都市
- 世界遺産に登録されている建築物は全て徒歩で周れる
スペイン南部最大の都市であるセビージャは、街自体が世界遺産に登録されているわけではなく、下記の歴史的建造物のみが登録されています。
- セビージャ大聖堂
- アルカサル
- インディアス古文書館
イスラム様式の建築を随所に見ることができる「アルカサル(城)」
そしてそれぞれの建物の規模が、スペインで最大級のものばかりなのが特徴の一つです!
また、「ムデハル様式」というイスラム教とキリスト教の様式が混在した建築物を随所に見ることができる点も特徴です。
「壮大なスペインらしい建物をたくさん見たい」
このように考えている方は、セビージャを訪れることをオススメします!
古都トレド
トレドの街を一望できる「ミラドール・デル・バイエ」からの眺め
【ポイント】
- 首都マドリードからの日帰り観光地として大人気
- 街全体が世界遺産でどこを歩いても絵になる
- 坂道が多いため歩きやすい靴と服装で訪れることがマスト
マドリード近郊の観光地 = トレド
このように言っても過言ではないほど人気の街がトレドです!
トレドは過去に、「キリスト」「ユダヤ」「イスラム」など様々な宗教の影響を強く受けてきました。
そのため旧市街を歩いていると他のスペインの街では見られないような、独特な様式をした建築物や街並みを見ることができます。
細い道がいくつも張り巡らされたトレドの旧市街
また、16世紀半ばまでスペインの首都として栄えたため、小さい街ながら壮大な建築物を所々で見ることができます。
なお、トレドはマドリードから鉄道とバスでアクセスが可能です。
本数が非常に多いため容易にアクセスができますが、とても人気の観光地であるため鉄道やバスのチケットはなるべく事前に購入しておきましょう!
セゴビア旧市街とローマ水道橋
古代ローマ人がつくりあげたスペイン最大の水道橋
【ポイント】
- ローマ時代に建てられた大迫力の水道橋が有名
- ディズニー映画「白雪姫」のモデルとなったお城がある
- アジア圏では圧倒的に日本人観光客が多い
名前の知名度は決して高くないものの、実は日本人観光客が非常に多い街として知られているのがセゴビアです。
街中の看板には日本語表記があったり、レストランによっては日本語メニューが置いてあったりと、日本人へのおもてなしが充実している街です。
ライトアップされた姿が美しい「アルカサル」
セゴビアにはランドマークとなる人気の建物がいくつもあります。
特に人気なのが下記の2つです。
- ローマ水道橋
- アルカサル(城)
ローマ水道橋は、スペインに現存する古代の橋の中で最大のものです。
アルカサルはその美しい姿から、ディズニー映画「白雪姫」のモデルにもなったお城です。
観光客の少ない穴場世界遺産
カセレス旧市街内にある「星の門」
日本人にはあまり知られていない世界遺産は、その国の新たな魅力を発見できる良い機会です!
さらに、あまり観光地化されていない世界遺産ほど当時の姿に近い状態で観光を楽しむことができます。
ただし観光客が少ないためがゆえに、メジャーなものと比べてアクセスが悪い世界遺産が多い点がデメリットになります。
とはいえ、世界遺産によっては現地ツアーなども催行されているため、個人で訪れることが不安な方は積極的にツアーを利用していきましょう!
カセレス旧市街(アクセス難易度:★★☆☆☆)
旧市街全体が世界遺産に登録されている「カセレス」
【ポイント】
- 世界遺産登録範囲が比較的コンパクトで周りやすい
- 有名な観光都市の旧市街と比べてより当時の姿に近い街並みが広がっている
- 日帰り観光は少し厳しめ
首都のマドリードから高速鉄道で約3時間半ポルトガル側に向かうとある、旧市街全体が世界遺産に登録されている古都です。
(マドリードを含む周辺の都市からはバスでもアクセス可能)
同じく世界遺産に登録されている人気の「トレド」や「コルドバ」と比べると規模は小さく、半日あれば徒歩でも名所を一通り周ることができます。
細い道が入り組んでいるカサレス旧市街
ただし、往復で7時間ほどかかるため、マドリードからの日帰り観光にはあまり向いていません。
ですので、1泊2日の行程で訪れることが一般的ですね。
アンテケラのドルメン遺跡(アクセス難易度:★★★☆☆)
紀元前につくられたとされる古代の墓「ドルメン」の入り口
【ポイント】
- 文化財と自然景観が混合して世界遺産に登録されている
- 徒歩圏内で周れる文化財は一部のお墓のみ(他はタクシー利用)
- 日本や現地でのツアーはほぼ無いため基本的には個人で訪れることになる
アンテケラは、スペイン南部の主要都市「マラガ」から日帰りで行ける中規模都市です。
(バスで片道1時間弱)
アンテケラは街が世界遺産に登録されているわけではなく、下記の文化財や自然景観が世界遺産に登録されています。
- メンガとビエラの支石墓
- エル・ロメラルのトルス(ドーム天井型のお墓)
- エル・トルカル
- ラ・ペーニャ・デ・ロス・エナモラドス
要するに、お墓を中心とした文化財と、侵食によって誕生した自然景観の2種類が世界遺産登録範囲です。
地殻変動や雨風の侵食によって誕生した奇岩群の「エル・トルカル」
首都のマドリードから高速鉄道を利用してマラガへ。
その後、マラガのバスターミナルからアンテケラへ向かう行程が一般的です。
「メンガとビエラの支石墓」のみ市内中心部から徒歩でのアクセスが可能です。
一方で、他の3つに関しては徒歩で向かうことは非常に厳しいので、街中でタクシーをひろって向かうことになります。
サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ(アクセス難易度:★★★★☆)
カラフルな家屋が立ち並ぶ可愛らしい街並み
【ポイント】
- おとぎ話に出てきそうなカラフルな街並みが特徴
- スペインの人気リゾート「テネリフェ島」北部にある植民都市
- 日本からのフライト時間がかなり長い(20時間以上)
あまり聞きなれない世界遺産ですよね(笑)
それもそのはず、日本人観光客がほぼいない「テネリフェ島」というアフリカ大陸近くの島に存在する世界遺産だからです。
サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナとはテネリフェ島にある街の名前で、この街の街並みや文化財が世界遺産に登録されています。
サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナまでの主なアクセス方法は下記になります。
- 日本各都市の空港 (フライト時間:約11時間)⇨ 中東各都市 (フライト時間:約7時間)⇨ マドリード or バルセロナ (フライト時間:2〜3時間)⇨ テネリフェ・ノルテ空港
フライトだけでも日本から約20時間の長さです。
一方で、「テネリフェ・ノルテ空港」からサン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナまではバスでわずか10分と非常に近いです。
街のシンボル「コンセプシオン教会」
ただし、スペイン以外の国からの発着だと、「テネリフェ・スール空港」という別の空港になり、サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナまでのアクセスは約1時間かかります。
基本的にテネリフェ・ノルテ空港は、スペインの国内線利用の場合の発着空港と考えておきましょう。
ポブレー修道院(アクセス難易度:★★★★★)
観光客がほとんどいないスペインシトー会の修道院「ポブレー修道院」
【ポイント】
- 観光客が少なく神聖な空間が広がるシトー会の修道院
- 周辺に広がるぶどう畑との美しいコラボ景観が魅力的
- スペインの世界遺産の中で特にアクセスの悪い遺産としてちょっと有名
ポブレー修道院は、個人で訪れるにはとにかくアクセスの悪い世界遺産です。
最低でも電車の乗り継ぎ2回と徒歩2時間の道のりになります。
ただし、アクセスが悪い反面、観光客が少ないため自分のペースでゆっくりと巡れる点は魅力ですね。
ポブレー修道院周辺に広がるぶどう畑の美しい景観
また、他の都市にある修道院と比べてあまり観光地化されていないため、神聖な雰囲気をより感じることのできる貴重な世界遺産なのです。
修道院以外にも、修道院周辺に広がるぶどう畑の景観が魅力ポイントです。
ポブレーはスペイン有数のワインの名産地であり、ワイナリーも多数構える一大ワイン生産地です。
なお、ポブレー修道院に関しては下記の記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい!【ポブレー修道院 | スペインシトー会の聖地】世界遺産登録の理由をわかりやすく解説!スペインの大自然を満喫できる世界遺産の国立公園
世界自然遺産の「テイデ国立公園」のある「テネリフェ島」
バルセロナの「サグラダ・ファミリア」やグラナダの「アルハンブラ宮殿」のように、スペインの世界遺産といえば”文化遺産”のイメージが強いですよね。
一方で、スペインの”自然遺産”に関する情報を持っている人は少数派だと思います。
それもそのはず、スペインの自然遺産情報が日本ではメディア等であまり取り上げられてないからです。
しかし、スペインの自然遺産を見ずに帰国するのは非常にもったいないです。
このように言える理由は以下の通りです。
- スペインやヨーロッパのイメージを覆すような美しい自然景観や現象を見ることができる!
- 他の国や地域ではほぼ見られない貴重な自然が数多く残されている!
- 自然遺産周辺にも観光地がたくさんある!
特に世界遺産に登録されているスペインの国立公園には、”スペイン最大”や”スペイン唯一”など、魅力的なワードが揃った場所が多いです。
スペインの滞在時間に余裕のある方は、ぜひ文化遺産だけでなく自然遺産にも触れてみてください!
テイデ国立公園
スペイン最高峰の山「テイデ山」と奇岩群を見ることができる「テイデ国立公園」
【ポイント】
- スペイン最高峰の山「テイデ山」に登ることができる
- 火山活動で出現したスケールの大きい大自然を目にすることができる
- 周辺にホテルが充実している
「スペインのオススメリゾートを知りたい!」
このような方には、私なら間違いなく「テネリフェ島」を紹介します!
そして、そんな一大リゾート島のテネリフェ島の中心に存在するのが、「テイデ国立公園」なのです。
テネリフェ島の中心に「テイデ山」というスペイン最高峰の山がそびえ、その山を含む広大な敷地が世界遺産に登録されています。
テイデ山の山頂付近まではロープウェイを使って登ることができる
テイデ山の火山活動によって誕生した、巨大なクレーターや奇岩(特徴的な形をした岩)、日本では見られない珍しい高山植物など、挙げればキリがないほど魅力が詰まっています!
もちろんテイデ国立公園のあるテネリフェ島はリゾート地でもあるため、国立公園周辺には多数のビーチがあります。
そして、ビーチ沿いには大型リゾートホテルも数多く点在しています。
スペインの山と海を満喫したい方は、テイデ国立公園のあるテネリフェ島で決まりですね!
ガラホナイ国立公園
国立公園内のシンボル的存在の奇岩「アガンドロック」
【ポイント】
- ”スペイン最後の秘境”とも言える知られざる自然景観を見ることができる
- 場所によって気候や景観が大きく異なる興味深い島
- 近くには美しいビーチやカラフルな村など魅力的なスポットが多い
「スペインの秘境地を訪れたい!」
このような方にオススメの国立公園です。
カナリア諸島の中の「ラ・ゴメラ島」という、空港の無い小さな島にある国立公園で、日本から最も遠いスペインの領土と言っても過言ではありません。
一方で、それほど遠く隔絶された島だからこそ、手付かずの自然を満喫することができるのが最大の魅力です!
まるでハワイにあるような大渓谷も見ることができる
島の入り口である港近くは少し乾燥した土地が広がります。
しかしどんどん山を登っていくと、まるで日本の”屋久島”のように霧に包まれた降水量の多い地域に変わります。
このような気候の変化や、地形の変化を楽しめるのもガラホナイ国立公園の魅力の一つです。
また、島には美しいビーチや可愛らしい村が多数あるので、国立公園観光以外にも楽しめるのもポイントです。
なお、ガラホナイ国立公園に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい!【スペインのガラホナイ国立公園とは?】世界遺産登録理由&魅力をわかりやすく解説!ドニャーナ国立公園
広大な森林や湿原が広がるスペイン最大の国立公園「ドニャーナ国立公園」
【ポイント】
- 総面積がスペイン最大を誇る国立公園
- 「スペインオオヤマネコ」など地球上でも珍しい動植物を見ることができる
- 他の自然遺産と比べて比較的アクセスは良い方
「スペインで動植物観察をしたい!」
このような願望があるなら、迷わず「ドニャーナ国立公園」を訪れましょう。
なぜなら、スペイン中の珍しい動植物が数多く集まっている国立公園だからです!
数多くの渡り鳥がやってくる湿原地帯
スペイン南部の中心都市セビージャが観光の拠点になります。
(セビージャから片道1時間ほど)
さらに、セビージャや近くの街ではドニャーナ国立公園のツアーが多く催行されているため、比較的訪れやすい自然遺産でもあります。
首都(マドリード)から日帰りで行ける世界遺産
2021年に世界遺産に登録されたマドリード市民憩いの「レティーロ公園」
時期によっては日本からの直行便も就航しているスペインの首都「マドリード」を拠点にすれば、複数の世界遺産を日帰りで訪れることも可能です!
スペインの世界遺産が多く集まっているエリアの一つが、まさしくマドリードのある中部です。
さらにマドリード周辺は鉄道網が発達しているため、公共交通機関を利用すれば簡単に訪れることができるのも魅力ですね。
世界遺産巡りをしたい場合は、ぜひマドリードを拠点にしてみてください。
合わせて読みたい!【2024年最新版】マドリードから日帰で行ける!おすすめ観光スポット11選アルカラ・デ・エナーレスの大学と歴史地区
今も使われている世界遺産の大学「サン・イルデフォンソ学院」
【ポイント】
- 今も使われている世界遺産の大学を中心とした学園都市
- 有名な小説「ドン・キホーテ」の著者セルバンテスの故郷
- 春から夏にかけて大学や広場に多くの花が咲き誇る
マドリードから最も近い距離にある世界遺産が「アルカラ・デ・エナーレスの大学と歴史地区」です。
なんと鉄道で1時間弱!
アルカラ・デ・エナーレスは、あの有名な世界的な作家「セルバンテス」の故郷で、古くから学問が盛んだった学園都市です。
多くの花が咲き誇る街の中心地「セルバンテス広場」
今でも学校が非常に多いため、街中には学生が数多く歩いてます。
また、春から夏にかけては大学の敷地内や広場には多くの花が咲き誇るので、オススメは4〜9月の時期です。
アビラ旧市街と市壁外の教会群
約2.5kmも続くスペイン最大規模のアビラの城壁
【ポイント】
- 巨大な城壁を今も見ることができる城塞都市
- 城壁内の旧市街は散策しているだけで楽しい
- 城壁の外に点在する教会も世界遺産に登録されている
スペインには城壁が築かれた街がたくさんありますが、中でも城壁の規模や保存状態という点で最もオススメできるのがアビラの城壁です!
世界遺産登録名称にも記載がある通り、アビラの世界遺産登録範囲は大きく分けて下記の2つになります。
- 城壁内の旧市街
- 城壁外の教会群
教会の跡地「クアトロ・ポステス」からはアビラの街を一望できる
城壁の全長は約2.5kmにも及び、9年かけて建造されました。
この城壁はイスラム教からの侵攻に備えて建てられたもので、城壁には約90もの監視をする塔がそびえています。
城壁や旧市街のみの散策であれば1日で十分ですが、城壁の外側の教会を全て訪れようとするとかなり時間がかかります。
ですので、アビラに1泊して2日かけて周るとちょうど良いですね。
マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地
修道院や図書館など数多くの施設が併設された巨大建造物
【ポイント】
- 王宮や修道院などが合併したスペイン屈指の巨大な複合施設
- まるで美術館と思うほど各部屋に多くの絵画が飾られている
- 隣接する庭園には無料で入ることができる
スペイン繁栄の歴史を物語っている建造物群と言っても過言ではないのが、エル・エスコリアルの修道院などです!
修道院のみならず、宮殿、図書館、神学校など、様々な施設を併合した巨大な建物になってます。
中でも修道院は豪華なつくりとして有名で、各部屋にはまるで美術館と思えるほどの絵画や骨董品が数多く飾られています。
無料で入ることができるエル・エスコリアル修道院の美しい庭園
また、修道院に隣接する庭園は無料で入ることができ、スペイン庭園の美しいつくりを目の当たりにすることができます。
他のマドリード近郊の世界遺産と比べても短時間で着くことができるので、ぜひ一度エル・エスコリアルの壮大な建物群を観光してみてください。
歴史的城塞都市クエンカ
断崖絶壁に建てられているクエンカのランドマーク「宙吊りの家」
【ポイント】
- 断崖絶壁に家屋が建てられている要塞都市
- 「宙吊りの家」が最も有名な建物
- 展望スポットがとにかく多く眺めが良い
クエンカの街の特徴といえば、なんと言っても崖ギリギリまで建物を建てている姿です!
クエンカの街の始まりは、イスラム教徒が自分たちの国の聖地である「コルドバ」を守るために、崖に沿って要塞を建築したことから始まります。
そこにキリスト教徒が修道院などを建て始めていきました。
当然、崖の上には限られたスペースしかないため、どんどん建物が密集していきます。
城壁内の街を登り続けると数多くのビュースポットに出会える
そんなクエンカで最も有名な建物が「宙吊りの家」と呼ばれる、断崖絶壁に建てられた3階建ての家屋です!
地震が発生しないスペインだからこそ誕生した建物ですね。
首都のマドリードからバスや鉄道で2〜3時間でアクセスでき、半日あれば周れるほど小さい街なのでぜひ足を伸ばしてみてください。
アランフェスの文化的景観
「ヴェルサイユ宮殿」を参考にして建造された「アランフェスの王宮」
【ポイント】
- スパイン最大級の広さと豪華さを誇る宮殿があることで有名
- 無料で入れる広大な庭園や並木道は人気撮影スポット
- 川や広大な森林に囲まれているため首都からの日帰りピクニックとしても人気
フランスにあるあの有名なヴェルサイユ宮殿を真似て建設された王宮のある街がアランフェスです。
アランフェスの王宮はスペイン最大規模で、隣接する庭園の広さも最大規模です!
さらに驚くことに、庭園への入場は無料です!
庭園はタホ川沿いに作られ、その美しい景観が街並みに溶け込んでいることから、世界遺産登録名称に「文化的景観」と入っているのです。
(文化的景観に関しては、こちらの記事で解説しています)
アランフェスの王宮の庭園では美しい花々や噴水を見ることができる
また、川や広大な緑に囲まれている街のため、休日はピクニックをしている人々で賑わっています。
なお、アランフェスに関しては下記の記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい!【アランフエスの文化的景観 | ブルボン家の繁栄】世界遺産に登録された理由や宮殿・庭園の魅力をわかりやすく解説!夜景が美しい世界遺産
ライトアップされたサラマンカの「新旧カテドラル」の美しい姿
世界遺産の魅力は、なにも多くの施設が営業している昼間だけではありません。
街並みや建物が美しくライトアップされる夜にも魅力が詰まっているのです!
特にスペインは文化遺産が非常に多いため、宗教関連の大きな建物を中心に美しい夜景を見られるところがポイントです。
そんな数あるスペインの文化遺産の中でも、特に美しかった世界遺産の夜景を厳選して紹介します。
サラマンカの旧市街
サラマンカの中心「マヨール広場」のライトアップした姿
【ポイント】
- スペイン最古の大学「サラマンカ大学」がある大学都市
- サラマンカ大学以外にも歴史的に価値のある建造物が多数
- 最大の夜景スポットは川越しに見る新旧カテドラルと橋のコラボ夜景
「スペインで最も有名な大学 = サラマンカ大学」
このように言われるほど有名な大学都市です。
大学以外にも、「サラマンカ新旧カテドラル(大聖堂)」「マヨール広場」「サン・エステバン修道院」など、見どころがたくさんある、隠れた観光都市なのです!
ローマ橋から見る昼間のサラマンカ旧市街
そんなサラマンカの一押し夜景スポットは、川越しに見る新旧カテドラルです!
”川越し”に見ることがポイントで、水辺にうつる大聖堂の姿と、「ローマ橋」や「エンリケ・エステバン橋」といった橋のライトアップも魅力的です。
また、街の中心にある「マヨール広場」の360度ライトアップも圧巻です。
コルドバ歴史地区
ローマ橋の上から眺めるコルドバ旧市街の夜景
【ポイント】
- 旧市街全体が世界遺産
- 「メスキータ」「ユダヤ人街」「アルカサル」など見どころが多い
- 最大の夜景スポットはローマ橋の上から見る大聖堂(メスキータ)の夜景
かつてイスラム教徒の重要な活動拠点として大きく栄えた、スペインを代表する古都です。
「メスキータ」と呼ばれる約850本もの円柱がそびえる聖堂をはじめ、見どころが非常に多い人気観光都市でもあります。
「円柱の森」と呼ばれるほど多くの柱がそびえるメスキータ内部
そんなコルドバの夜景スポットは、「ローマ橋の上から見る大聖堂のライトアップ」です!
石畳のローマ橋のライトアップと、そこから見る大聖堂のライトアップは、数千年前にタイムスリップしたような錯覚になる美しい景観です。
美しい夜景を見ようと多くの観光客が橋を渡っているため、夜間でも比較的安心して一人歩きができるのも魅力です。
参考文献・注意事項
- 当記事の内容は「世界遺産検定1級公式テキスト<上>」と「世界遺産検定1級公式テキスト<下>」を大いに参考にしています。
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