こんな方にオススメの内容!
- 世界遺産登録されているワイン産地やブドウ畑を知りたい!
- 有名なワイン産地や銘柄を知りたい!
- これからワインについて勉強しようと考えている!
- 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
- 世界遺産検定の受験を考えている!
ポイント
- 自然環境を活かしたブドウ園&ワイナリーは世界遺産登録される傾向がある
- 世界的に有名なワインの銘柄を生産する地域は世界遺産登録されやすい
- ワイン製造に関する遺産には文化的景観が認められやすい
なぜワイン産地が世界遺産になれるのか
世界中にワインを製造している地域はたくさんありますが、なかでも下記のいずれかに該当するワイン産地は世界遺産登録される可能性を秘めています。
- 独特な栽培方法によるブドウ畑が広がっている
- 伝統的な手法でワイン製造が行われている
- ブドウ栽培やワイン製造によって繁栄・発展した歴史を刻む
- 世界的に有名なワインの伝統的な製造の歴史が見られる
- ワイン製造に関わる施設や住居によって美しい景観が誕生した
ここで注意しなければならないのが、ワイン自体の味や希少性に世界遺産の価値があるわけではなく、ワイン製造に関係する施設、文化、歴史、景観に価値があるのです。
そもそも世界遺産登録の絶対条件の一つとして、登録対象のものが”不動産”であることが挙げられます。
ワイン自体は自由に持ち運びができてしまうため、世界遺産に登録されることはないのです。
歴史や自然だけでなく、今回のワインのように”食”から世界遺産について学ぶなど、自分の興味関心のある分野で世界遺産に触れるのも面白いです。
世界遺産登録されているワイン産地の特徴
世界遺産登録されているワイン産地には、大きく分けて以下の3つの特徴を持っています。
ヨーロッパに集中している
ワインの名産地として知られるフランス「ブルゴーニュ」のブドウ畑
世界遺産登録されているワイン産地のほとんどがヨーロッパに位置しています。
ヨーロッパに世界遺産のワイン産地が多い理由は、ヨーロッパの土地や気候がワインの原料となるブドウの栽培に最適だからです。
【ブドウの生産に適した環境の特徴】
- 平均気温が20〜10℃
- 昼と夜で寒暖差がある
- 十分な日照時間がある
特に、標高差によって昼と夜で気温に大きな差が生まれやすいアルプスの山々が連なるヨーロッパの中部から南部の山岳地帯にかけて、数多くのブドウ畑が広がっています。
一方で、北欧やイギリスといったヨーロッパ北部は、気温と日照時間の問題でブドウ栽培があまり行われていません。
登録基準(iii)(v)が認められやすい傾向がある
ブドウ畑と伝統的な家屋が点在するスイスのラヴォー地区
世界遺産に登録されているワイン産地の多くが、登録基準(iii)か(v)のどちらか、または両方が認められています。
(iii)と(v)が認められやすい理由は、以下の通りです。
- (iii):各地域の伝統的なブドウ栽培、ワイン生産に関する施設や集落が残されている。
- (v):自然環境に合わせたブドウ栽培、ワイン生産が行われることで、人と自然が共存した独特な景観が誕生する。
なお、世界遺産の登録基準については、下記の記事で詳しく解説してます。
合わせて読みたい!【世界遺産の登録基準】合計10の登録条件全てを小学生でもわかるように解説!文化的景観が認められている
文化的景観が認められているドイツのライン川沿い
世界遺産に登録されているワイン産地のほとんどが、人と自然が共存した景観に認められる文化的景観を満たしています。
文化的景観が認められやすい最大の理由は、前述の「登録基準(iii)(v)が認められやすい傾向がある」で解説した、登録基準(v)が大きく関係しています。
ちなみにワイン産地だけでなく、コーヒーや米などの他の農業、金や銀といった鉱物資源の産地も自然環境をうまく活用した景観が広がっているため、何かしら産業に関わる遺産には比較的文化的景観が認められる傾向があります。
なお、文化的景観と『石見銀山遺跡』については、下記の記事で詳しく解説してます。
合わせて読みたい!【文化的景観とは | 3つのカテゴリー】具体的な世界遺産を挙げてわかりやすく解説!合わせて読みたい!【なぜ石見銀山は世界遺産?文化的景観?】登録理由&歴史&課題・問題点を含めてわかりやすく解説!世界遺産登録されているワイン産地一覧
世界遺産登録されている主なワイン産地は、以下の通りです。
※2023年時点
世界遺産名称 | 国名 | 登録年 |
---|---|---|
サン・テミリオン地域 | フランス | 1999年 |
ヴァッハウ渓谷の文化的景観 | オーストリア | 2000年 |
アルト・ドウロのワイン生産地域 | ポルトガル | 2001年 |
トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観 | ハンガリー | 2002年 |
ライン渓谷中流上部 | ドイツ | 2002年 |
ピーコ島のブドウ栽培の景観 | ポルトガル | 2004年 |
ラヴォー地域のブドウ畑 | スイス | 2007年 |
ピエモンテのブドウ園の景観:ランゲ・ロエロとモンフェッラート | イタリア | 2014年 |
ブルゴーニュのブドウ栽培の景観 | フランス | 2015年 |
シャンパーニュの丘陵、醸造所と貯蔵庫 | フランス | 2015年 |
コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群 | イタリア | 2019年 |
サン・テミリオン地域
ワインの産地として有名なサン・テミリオンには保存状態の良い中世の街並みが残されている
登録名称 | サン・テミリオン地域 |
---|---|
登録年 | 1999年 |
所在国 | フランス |
登録基準 | (iii)(iv) |
主な品種・銘柄 | シャトー・オーゾンヌ、シュヴァル・ブラン |
【ポイント】
- 通称「ボルドー・ワイン」として知られる高級ワインの名産地
- ワイン製造の起源はローマ皇帝によるブドウ栽培
- 歴史的な街並みや建造物も世界遺産登録に影響
サン・テミリオン地域は、世界的な人気を誇るワイン「ボルドー・ワイン」の産地として知られています。
ボルドー・ワイン自体はフランス国内で多く生産されていますが、サン・テミリオンで生産されているボルドー・ワインは高級品として扱われています。
サン・テミリオンでのワイン製造は、当時のローマ皇帝によってこの地にブドウの苗木が持ち込まれたことが起源とされています。
また、キリスト教の聖地の一つであるスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」に続く巡礼道が通っていることから、街の人口増加にともないワイン需要も増え、長年にわたってワイン生産が盛んに行われていました。
ちなみにサン・テミリオンのワインは、メルローと呼ばれるブドウの品種を主体とする赤ワインの生産が主となります。
- 商品名:シャトー・オーゾンヌ シャペル・ドーゾンヌ
価格帯:20,000円〜 - Amazonから購入
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なお、『サン・テミリオン地域』に関しては、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
合わせて読みたい!【サン・テミリオン地域とは?ワインが世界遺産?】登録理由&歴史をわかりやすく解説!ヴァッハウ渓谷の文化的景観
数多くのブドウ畑が広がる「ヴァッハウ渓谷」には歴史的建造物も多く残されている
登録名称 | ヴァッハウ渓谷の文化的景観 |
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登録年 | 2000年 |
所在国 | オーストリア |
登録基準 | (ii)(iv) |
主な品種・銘柄 | グリューナー・フェルトリーナー |
【ポイント】
- 白ワイン品種のブドウ「リースリング」で製造されるワイン
- ヨーロッパで有名な河川「ドナウ川」沿いでブドウを栽培
- 川沿いには中世のお城や農村が点在
ヴァッハウ渓谷とは、白ワインの品種として知られる「リースリング」が盛んに生産されている地域です。
ドナウ川沿いを中心に全長約35kmが世界遺産に登録されています。
川沿いには広大なブドウ畑はもちろん、中世のお城や様々な農村など、古くからの人々の暮らしの様子を見ることができます。
なお、ドナウ川はブドウ栽培に適した土地や気候の提供だけでなく、船を用いた交通手段としても重要な役割を果たしていました。
- 商品名:グリューナー フェルトリーナー ランゲンロイス
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アルト・ドウロのワイン生産地域
人気の「ポート・ワイン」の原料となるブドウはポルトガルの険しい山々で生産されている
登録名称 | アルト・ドウロのワイン生産地域 |
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登録年 | 2001年 |
所在国 | ポルトガル |
登録基準 | (iii)(iv)(v) |
主な品種・銘柄 | ポート・ワイン、エステヴァ |
【ポイント】
- ”ポルトガルの宝石”と称される「ポート・ワイン」の名産地
- 約2,000年もの製造の歴史を持つ世界最古級のワイン産地
- 山間に階段状のブドウ畑が広がる姿が特徴的
まずアルト・ドウロとは、ポルトガル北部を流れるドウロ川の上流地域のことを指します。
川の上流ということもあり、周辺は険しい山々に囲まれており、ブドウ畑は山間に点在しています。
アルト・ドウロのワイン生産の歴史は、なんと約2,000年も前からと考えられています。
夏と冬の寒暖差が激しく雨があまり降らない環境が、ワイン作りに適したブドウの栽培に向いていたことが古くからワイン製造が盛んに行われていた理由の一つです。
またブドウ畑だけでなく、周辺には教会や住居など古くからの人々の暮らしを見ることもできます。
ちなみにポート・ワインは濃厚で比較的甘口のため、お酒があまり得意ではない方にもオススメできます。
- 商品名:ポートワイン テイラー ファイン ルビー ポート
価格帯:2,000円〜 - Amazonから購入
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トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観
ハンガリー・トカイ地方は世界三大貴腐ワインの1つ「アスーワイン」の産地として有名
登録名称 | トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観 |
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登録年 | 2002年 |
所在国 | ハンガリー |
登録基準 | (iii)(v) |
主な品種・銘柄 | アスー(別名:トカイワイン) |
【ポイント】
- 世界三大貴腐ワインの1つ「アスー・ワイン」の産地
- フランス国王が”ワインの王”と大絶賛するほど高品質
- 今なお伝統的な手法でワイン製造が行われている
トカイ地方のワインは、世界三大貴腐ワインの1つに数えられる「アスー・ワイン」の産地として世界に名が知られています。
用語メモ
貴腐ワインとは、「貴腐ブドウ」と呼ばれる非常に純度の高いブドウを用いて製造されるワインを指す。トカイ地方では1,000年以上にもわたって貴腐ワインが生産されており、世界を代表する貴腐ワインの名産地となっている。ヴェルサイユ宮殿の建造を指示したことで知られるルイ14世が、”ワインの王”と称賛するほど、トカイ地方の貴腐ワインは高品質なのが特徴です。
現在でも、トカイ地方では従来の伝統的な方法でワインが製造されています。
またブドウ畑以外にも、周辺には農村や小さな町が数多く点在しており、1,000年以上にわたる人の自然環境をうまく活用した生活の姿を見ることができます。
- 商品名:パトリシウス トカイ アスー 5 プットニョス
価格帯:5,000円〜 - Amazonから購入
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ライン渓谷中流上部
中世の城やブドウ畑が混在するドイツ・ライン川流域
登録名称 | ライン渓谷中流上部 |
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登録年 | 2002年 |
所在国 | ドイツ |
登録基準 | (ii)(iv)(v) |
主な品種・銘柄 | トロッケン |
【ポイント】
- 世界有数の「リースリング」を使用したワインの産地
- 観光拠点となるリューデスハイムでワインセラーや博物館の見学が可能
- ライン川沿いにはいくつもの古城や城砦が点在
ライン渓谷で製造されるワインは、前述の「ヴァッハウ渓谷の文化的景観」と同じく、「リースリング」と呼ばれる白ワイン品種のブドウで製造されています。
そして、ドイツはリースリング生産量が世界の約6割を占めているほどのリースリング大国です。
中心の街となるリューデスハイムでは、ブドウ畑やワインセラー、ワイン博物館などドイツワインを満喫できる観光施設が多くあります。
また、古くからライン川は世界各国の船が往来する重要な交通網だったため、船から高い通行税を取るために川沿いに多くのお城が構えられてました。
その結果、現在も「シュトルツェンフェルス城」や「カッツ城」などの古城が数多く点在しています。
リースリングで製造されたワインは、甘口から上品な辛口までと、幅広いジャンルが特徴的で万人受けが良いワインです。
- 商品名:ラインガウ・リースリング・クーベーアー・トロッケン
価格帯:2,000円〜 - Amazonから購入
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ピーコ島のブドウ栽培の景観
ブドウ栽培に適した水はけの良い溶岩大地がポイントのポルトガル領の火山島「ピーコ島」
登録名称 | ピーコ島のブドウ栽培の景観 |
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登録年 | 2004年 |
所在国 | ポルトガル |
登録基準 | (iii)(v) |
主な品種・銘柄 | ラジド |
【ポイント】
- 火山島の恵みを利用して栽培されたブドウを使用
- 「クラウ」と呼ばれる石壁が何kmにもわたってつくられているのが特徴的
- ワイン貯蔵室、邸宅、教会、港などが今も残されている
ピーコ島とは、大西洋沖合いに位置するポルトガル領の火山島です。
この島で栽培されるブドウは、立地や火山による恵をうまく活用したものとして知られています。
【ピーコ島でブドウ栽培をする利点】
- 十分な日差しを浴びることができる
- 火山による溶岩台地のため水はけが良い
一方で、周囲を海に囲まれていることから、ブドウ栽培の天敵となる風や海水の影響を受けやすいのが難点です。
そこで、風や海水からブドウ畑を守るために、ピーコ島には「クラウ」と呼ばれる石壁が数多くつくられました。
この石壁の存在が、他の地域では見られない独特な景観を生み出しているのです。
現在見られるブドウ畑は、15世紀ごろからピーコ島に移り住んだ人々によって作られたものと考えられてます。
その後19世紀にかけて、ワイン貯蔵庫などワイン製造に関わるものから、邸宅や教会など人々の生活を支える建物などが数多く設けられました。
このように、ピーコ島は古くからワイン製造と隣り合わせの生活が営まれていたのです。
- 商品名:ラジド ファイン オールド リザーブ ミディアムスィート
価格帯:6,000円〜 - Amazonから購入
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ラヴォー地区のブドウ畑
レマン湖周辺に広がるスイス・ラヴォー地区のブドウ畑
登録名称 | ラヴォー地区のブドウ畑 |
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登録年 | 2007年 |
所在国 | スイス |
登録基準 | (iii)(iv)(v) |
主な品種・銘柄 | カラマン、デザレー |
【ポイント】
- 古代ローマ時代から続くブドウ栽培地域
- 山の斜面から湖に向かって見られるブドウの段々畑がシンボル
- 日本に出回ることがほとんどない希少なワインを製造
スイスのワイン製造の中心地と言っても過言ではない地域が、ラヴォー地区です。
ラヴォー地区は、険しいアルプスの山々とスイス最大の湖として知られるレマン湖に囲まれた環境です。
このような自然環境に恵まれた点が、スイスワイン製造に適していたのです。
なかでも、山の斜面から湖に向かって広がるブドウの段々畑は、ラヴォー地区ならではの景観として知られています。
そんな段々畑の周辺に、ワイン製造に関わる人々の住居が構えられ、次第に数多くの集落が形成されていきました。
しかし、残念ながらラヴォー地区で生産されたワインのほとんどがスイス国内や近隣国で消費されてしまうため、日本ではあまり目にかかることがありません。
ただし、近年はオンライン上で購入することが可能になってきたため、希少なラヴォー地区産のワインを楽しめる時代になってきました。
- 商品名:ラヴォー カラマン グラン・クリュ
価格帯:9,000円〜 - Amazonから購入
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なお、『ラヴォー地区のブドウ畑』については、下記の記事でより詳しく解説してます。
合わせて読みたい!【ラヴォー地区 | ブドウ畑が世界遺産!?】登録理由をわかりやすく解説!ピエモンテのブドウ園の景観:ランゲ・ロエロとモンフェッラート
ブドウ栽培が盛んに行われているイタリア・ピエモンテ州・ランゲ地方の景観
登録名称 | ピエモンテのブドウ園の景観:ランゲ・ロエロとモンフェッラート |
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登録年 | 2014年 |
所在国 | イタリア |
登録基準 | (iii)(v) |
主な品種・銘柄 | バローロ、バルバレスコ |
【ポイント】
- 北部を川、南部をアルプスに囲まれた自然豊かな地域
- 5つのワイン産地と周辺のお城が世界遺産に登録
- ワイン製造だけでなくイタリア史においても重要な地域
ピエモンテはイタリア北西部に位置し、周囲をポー川やアルプス山脈に囲まれている自然豊かな地域です。
そんなピエモンテはイタリアで最初期にブドウ栽培、ワイン製造が行われた地域として知られています。
世界遺産登録範囲は、大きく5つの地区に分けられたワイン産地と、「カブール城」などの歴史的建造物も含まれています。
また、ワインに関する単語が、当時ピエモンテで活動していたとされるエトルリア人(紀元前からいる先住民族)とケルト人(”未知の人”と呼ばれる集団)に由来するものが多いため、ワイン製造のみならず、イタリア史を紐解く上でも重要な地域になっているのです。
ちなみに、ピエモンテで生産されているワイン「バローロ」は、”ワインの王”と称されるほど人気が高いです。
最低でも3年の熟成が義務付けられているため、お肉料理などに合う濃厚な味わいが特徴です。
- 商品名:バローロ
価格帯:3,000円〜 - Amazonから購入
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ブルゴーニュのブドウ栽培の景観
「クリマ」と呼ばれるブドウ栽培の景観が特徴的なブルゴーニュのブドウ畑
登録名称 | ブルゴーニュのブドウ栽培の景観 |
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登録年 | 2015年 |
所在国 | フランス |
登録基準 | (iii)(v) |
主な品種・銘柄 | ロマネ・コンティ、モンラッシェ |
【ポイント】
- 「ブルゴーニュ・ワイン」として知られるフランスで有名なワイン産地の一つ
- 「クリマ」と呼ばれるブドウ栽培景観がシンボル
- 世界的に名が知られるワインを数多く製造
ブルゴーニュとは、ディジョンという街を中心としたフランス中部の地域を指します。
「ブルゴーニュ・ワイン」として名が知られている地域であることからもわかるように、ブルゴーニュは世界的に知名度の高いワイン産地です。
世界遺産に登録されているエリアは、主に下記の2つの丘陵地です。
- コート・ドゥ・ボーヌ
- コート・ドゥ・ニュ
ブルゴーニュ地域で有名なのが、「クリマ」と呼ばれる区画を用いたブドウ栽培の景観です。
この独特な栽培方法によって誕生した景観は、世界遺産登録に大きく影響しているポイントの一つです。
また、盛んにブドウ栽培が行われている他の地域と比べて、ブルゴーニュは地質や日照時間など自然条件が異なってくるため、栽培されるブドウの品種と製造されるワインの種類が異なる点も大きな特徴です。
特に有名なワインが、高級ワインとして知られる「ロマネ・コンティ」です。
他のワインと比べて年間の生産量が少ないにもかかわらず世界中にファンが数多くいるため、非常に希少で高価なワインとして知られています。
特別な日に贅沢なワインを堪能したい方にオススメです。
- 商品名:ロマネコンティ コルトン 2017 ドメーヌ ド ラ ロマネ コンティ
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シャンパーニュの丘陵、醸造所と貯蔵庫
スパークリング・ワインの代表格と言える「シャンパン」はフランスのシャンパーニュ地方が名前の由来
登録名称 | シャンパーニュの丘陵、醸造所と貯蔵庫 |
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登録年 | 2015年 |
所在国 | フランス |
登録基準 | (iii)(iv)(vi) |
主な品種・銘柄 | モエ・エ・シャンドン、ポメリー |
【ポイント】
- 大人気ワイン「シャンパン」が誕生した地域
- スパークリング・ワイン製造法が生み出された
- 歴史的な建築物や通りも世界遺産に登録
用語メモ
スパークリング・ワインとは、主に一度製造したワインをボトルの中で再度発酵させ、炭酸ガスを発生させたワインを指す。産地によって呼び方が変わるが、スパークリング・ワインの産地として特に有名な地域がフランスのシャンパーニュ地方。シャンパーニュとは、世界的な人気を誇るスパークリング・ワインの一種「シャンパン」の産地として知られる、フランスを代表する一大ワイン製造地域です。
そもそも、シャンパーニュはスパークリング・ワインの製造自体を生み出した地域であり、スパークリング・ワインの製造方法名に「シャンパーニュ方式」というものが存在するほどです。
世界遺産に登録された地域・建造物は、大きく下記の3つに分けられます。
- オーヴィイェ、アイ、マルイユ・シュール・アイの3つの地域のブドウ畑
- ランスにある「サン・ニケーズの丘」
- エペルネにあるシャブロール要塞とシャンパーニュ大通り
”スパークリング・ワインの故郷”という非常に重要な地域であるため、ブドウ畑だけではなく、シャンパンの製造に関わる全ての施設、歴史的建造物、街並みが数多く世界遺産登録されているところがポイントです。
世界遺産登録されている他のワイン関連の遺産と比べると、決して歴史は長くありません。
それでも、”シャンパン”というスパークリング・ワインの代表格を生み出した技術・功績は、世界遺産にふさわしい高い価値を持っているのです。
- 商品名:モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアル
価格帯:5,000円〜 - Amazonから購入
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コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群
プロセッコの原料となるイタリア・ヴェネト州のブドウ栽培の景観
登録名称 | コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群 |
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登録年 | 2019年 |
所在国 | イタリア |
登録基準 | (v) |
主な品種・銘柄 | プロセッコ |
【ポイント】
- コスパ最高のワインとして知られる「プロセッコ」生誕地
- チェス盤のような独特なブドウ畑の景観が特徴的
- 木々をトンネルのように組む「ベルッセラ」という栽培方法が有名
コネリアーノとヴァルドッビアーデネは、ワイン好きの間で”コスパ最高なワイン”として知られる「プルセッコ」が製造されているイタリア北部の地域です。
「ホッグバック」と呼ばれる丘陵地帯と、「チリオーニ」と呼ばれる狭い草が密集する特徴的な台地を利用してブドウ栽培が行われています。
ブドウ園は傾斜に沿ってつくられており、まるでチェス盤のように区切られている独特な景観が特徴です。
なかでも、「ベルッセラ」と呼ばれるブドウ栽培方法は、プロセッコ製造のシンボルとも言えます。
- 岩だらけの土地を耕す
- 耕した大地にブドウの木を植えていく
- 背の高いブドウの木を左右に並べる
- 並べた木の枝をトンネル型になるように組む
プロセッコは1本1,000〜2,000円ほどで購入ができる辛口のワインのため
「日常的にワインを堪能したい」
このような方には非常にオススメです。
- 商品名:ボッテガ ヴィーノ ディ ポエーティ プロセッコ
価格帯:1,000円〜 - Amazonから購入
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まとめ
- 独特なブドウ栽培方法やワイン製造法を生み出した地域は世界遺産登録されやすい
- 世界遺産登録されているワイン産地はヨーロッパに集中している
- 世界的に有名なワイン産地は世界遺産登録される傾向がある
- 登録基準(iii)(v)が認められやすい
- 文化的景観が認められているものが多い
- ブドウ畑だけでなくワイン製造に関連する施設や歴史的建造物も登録対象となる
参考文献・注意事項
- 当記事の内容は「世界遺産検定1級公式テキスト<上>」と「世界遺産検定1級公式テキスト<下>」を大いに参考にしています。
- 当記事は100%正しい内容を保証するものではありません。一部誤った記載が存在する可能性があることをあらかじめご了承ください。