【サン・テミリオン地域とは?ワインが世界遺産?】登録理由&歴史をわかりやすく解説!

こんな方にオススメの内容!

  • そもそもサン・テミリオン地域とは何かを知りたい!
  • サン・テミリオン地域が世界遺産登録された理由が気になる!
  • ワインの名産地として発展した理由を知りたい!
  • 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
  • 世界遺産検定の受験を考えている!
  • フランスへの旅行を考えている!
おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ ブルートラベラー 青野真
今回は「サン・テミリオン地域」についておもしろ&わかりやすく学んでいきましょう!

ワインの名産地として有名なフランスの町だよね!世界遺産登録理由が気になる!
おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ レオンくん

遺産ポイント

  1. 高級ボルドーワインの名産地
  2. モノリス教会」「聖エミリオン」などの歴史的建築物の宝庫
  3. サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道が通っている

「サン・テミリオン地域」のプロフィール

登録名称サン・テミリオン地域
登録年1999年
所在国フランス
登録ジャンル文化遺産
登録基準(iii)(iv)

そもそも「サン・テミリオン地域」とは?

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 そもそも「サン・テミリオン地域」とは?

のどかな農村地域にたたずむ中世の町「サン・テミリオン」

『サン・テミリオン地域』とは、サン・テミリオンという都市を中心に、周辺の自治体やブドウ畑を含む一帯の地域を指します。

サン・テミリオンの大きな特徴として、主に以下の2点が挙げられます。

  • ボルドーワインの名産地
  • サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道の一部
ワインの産地と巡礼道として発展した歴史を持つんだね!
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高級ボルドーワインの名産地

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 高級ボルドーワインの名産地

世界的に有名な「ボルドーワイン」はサン・テミリオン周辺で多く製造されている

サン・テミリオンは、フランスを代表する「ボルドーワイン」の産地として非常に有名です。

ボルドーワインの中でも特に高級品とされる銘柄が多く生産されているため、サン・テミリオン産のワインは世界の富裕層を中心に愛されています。

一般的には「サン・テミリオン = ワイン産地」というイメージがあるんだね!
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サン・テミリオンでのワイン生産の起源は、なんと紀元前1世紀頃(約2,100年前)までさかのぼります。

当時ローマの支配地域だったサン・テミリオンに、ローマ皇帝のアウグストゥスがブドウ栽培を持ち込みました。

そして、もともと自然にブドウが育っていたサン・テミリオンで新種のブドウを植え、最初のブドウ園をつくりあげました。

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ちなみに赤ワインがメインで生産されています!

その後、フランス国王のルイ14世から「ワインの王様」とたたえられるほど高い評価を受けたサン・テミリオン産のワインは、世界を代表するワイン産地として大きく注目を浴びるようになっていきました。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道の一部として発展

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道の一部として発展

サン・テミリオンにはキリスト教の重要な聖地の一つ「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」の巡礼道が通っている

サン・テミリオンは、キリスト教の聖地として知られる「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」への巡礼道が通っていることで知られています。

昔から多くのキリスト教徒がサン・テミリオンを訪れていたため、サン・テミリオンは商業の街として古くから栄えていました。

前述の「高級ボルドーワインの名産地」で解説したワインの産地として栄えたのも、巡礼道が通り、常に多くの人々で賑わっていたことが大きく影響しています。

巡礼者の恩恵もあってワイン生産が活気づいたんだね!
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なお、『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』については下記の記事で詳しく解説してますので、ぜひ併せて読んでみてください。

合わせて読みたい!【サンティアゴ・デ・コンポステーラ | キリスト教の聖地】世界遺産登録理由をわかりやすく解説!【サンティアゴ・デ・コンポステーラ | キリスト教の聖地】世界遺産登録理由をわかりやすく解説!

世界遺産登録理由

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 世界遺産登録理由

『サン・テミリオン地域』が世界遺産登録された理由は、大きく下記の2点に分けられます。

  • 貴重な宗教関連施設が多く残る
  • 自然環境を活かして発展を遂げた歴史を持つ
文化的な面と自然面の両方が評価されたんだね!
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理由1:貴重な宗教関連施設が多く残る

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 理由1:貴重な宗教関連施設が多く残る

サン・テミリオンのシンボル「モノリス教会」

サン・テミリオンには、主に11世紀以降に建てられた教会、修道院などの宗教関連施設が数多く残されています。

特に有名な建造物として挙げられるのが下記です。

  • モノリス教会:サン・テミリオンの名前の由来になった「聖エミリオン」の弟子が一枚岩を使って製作したロマネスク様式の教会。サン・テミリオンの町のシンボル。
  • 洞窟教会:柔らかく加工しやすいことで知られる石灰岩で造られた教会。聖エミリオンは洞窟教会で世間から離れてひっそりと生活を送っていた。

用語メモ

ロマネスク様式とは、「ローマ風」という意味を持つ、派手な装飾等が施されていない10世紀ごろの建築様式。ローマでよく見られる半円アーチや分厚い石造の壁などが特徴。

また、パリなどの大都市と比べて大規模な町の改革などが行われなかった影響で、現在でも中世の街並みを色濃く残しています。

街全体が約1,000年前の景色をそのまま残してるんだね!
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理由2:自然環境を活かして発展を遂げた歴史を持つ

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 理由2:自然環境を活かして発展を遂げた歴史を持つ

サン・テミリオン周辺はブドウ栽培が盛んに行われている

サン・テミリオンはフランス内陸の農村地域に位置するため、周辺は非常に豊な自然に恵まれています。

そんな自然豊かな土地に町が築かれ、気候や風土を利用したブドウ栽培まで行われました。

このように、自然環境をうまく活用して発展を遂げた歴史が高く評価されたのです。

古くから自然と共存した生活が送られていたんだね!
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サン・テミリオンの発展の歴史を語る上で欠かせない人物が、アリエノール・ダキテーヌです。

彼女はサン・テミリオンのあるアキテーヌ地方を治め、国内外との親交をうまく取っていました。

なかでも、後にイングランドの国王となるヘンリー2世と結婚したことは、サン・テミリオンをさらに発展させるきっかけとなりました。

そして、サン・テミリオンはダキテーヌのイングランド王との結婚をきっかけにイングランド領となって以降、サン・テミリオンで生産されたワインがイギリスでも広まっていくことに繋がったのです。

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ワインによってイギリスとの交流を図るきっかけが誕生しました!

サン・テミリオン産のワインはイギリスの王室や貴族への贈り物として重宝され、この出来事をきっかけにサン・テミリオンでさらにワイン文化が定着していくことになりました。

文化的景観が認められた理由

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 文化的景観が認められた理由

周辺の自然と調和した景観が美しいサン・テミリオンの街並み

『サン・テミリオン地域』に文化的景観が認められた最大の理由は、自然の地形や風土を利用した生活が営まれていた痕跡が現在も残されているためです。
(文化的景観に関しては、こちらの記事で詳しく解説してます)

なかでも、ブドウ栽培を行い、世界的に有名なボルドーワインの産地として認知が広まった影響は大きいです。

【サン・テミリオンがブドウ栽培に適している理由】

  • 日照時間が長い
  • 湿潤・温暖で水はけが良い
  • 1年を通して適度な寒暖差がある

ブドウ畑だけでなく、ワイン製造のために建てられたワイナリーや、ワイン生産者の住居なども自然環境に溶け込むようにして点在しています。

このようにワイン生産に適した環境は「特別管理区」として厳重に保護されており、具体的な保護・保全の取り組みも高く評価されているのです。

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なお世界遺産登録範囲はこの特別管理区の広さに匹敵します!

サン・テミリオンで製造されたワインは、近隣の港町ボルドーに集積されて各国へと輸送されていきます。

ちなみに、ワインが集積される港町ボルドーもまた、古くから港町として発展した歴史が評価されて世界遺産登録されています。

本日の確認テスト

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域
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今後「世界遺産検定」の受験を考えている方はぜひ下記の問題にトライしてみてください!

今回学んだことの復習を兼ねてやってみるのもいいよね!
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(「世界遺産検定」の概要についてはこちらの資料を参考にしてください)

2級レベル

『サン・テミリオン地域』で約2100年前から盛んに栽培されていたものとして正しいものはどれか。

  1. トウモロコシ
  2. ブドウ
  3. オリーブ
  4. ヒマワリ

答え(タップ)>>

1級レベル

巨大な1枚岩をくりぬいて建築されたロマネスク様式の教会の名称として正しいものはどれか。

  1. モノリス教会
  2. 聖ヴィート教会
  3. ヴィース教会
  4. サントトメ教会

答え(タップ)>>

※「3,4級」レベルのトレーニングテストは対象外になります。

まとめ

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域
  • フランスを代表する高級ボルドーワインの名産地。
  • キリスト教の聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」の巡礼道が通っている。
  • ロマネスク様式の「モノリス教会」や「洞窟教会」などの宗教施設が点在。
  • サン・テミリオン産のワインはイギリスの王室や貴族への贈り物としても愛された。
  • 周辺の自然と共存した街並みや伝統生活を残す点が文化的景観として評価された。
おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ レオンくん ブルートラベラー

なお、今回解説した『サン・テミリオン地域』と同様に、世界には世界遺産登録されているワイン産地は数多く存在します。

下記の記事で一覧にして紹介しているので、ぜひ併せて読んでみてください。

合わせて読みたい!【世界遺産のワイン産地一覧】登録理由&主な銘柄の特徴をわかりやすく解説!【世界遺産のワイン産地一覧】登録理由&主な銘柄の特徴をわかりやすく解説!

おまけ:「サン・テミリオン」のプチ観光情報

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 「サン・テミリオン」のプチ観光情報

小高い丘につくられたサン・テミリオンは坂が多い町として知られる

最寄り空港仁川国際空港 or 金浦国際空港
公用語韓国語
通貨大韓民国ウォン
観光のベストシーズン4〜10月
時差なし
治安良い
物価普通(日本より少し安い)
ビザ不要

サン・テミリオンはフランスの農村地域のため、治安が良く、ゆっくりとした時間が流れているところが魅力です。

一方で、決してアクセスが良いとは言えないため、ある程度観光日数には余裕を持って訪れることを検討しましょう。

アクセス

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 アクセス

サン・テミリオン観光の拠点となる街「ボルドー」

日本から最寄り空港があるボルドーへの直行便は就航していませんが、もう一つの拠点となるパリのシャルル・ド・ゴール空港へは、東京と大阪から直行便が就航しています。

【パリ拠点の場合】

  • 羽田 or 成田 or 関西 [フライト時間:12〜13時間] ⇨ パリ・シャルル・ド・ゴール空港  [高速鉄道:約2時間] ⇨ ボルドー・サン・ジャン駅(ボルドー) [鉄道:約30分] ⇨ サン・テミリオン駅 [徒歩:約25分] ⇨ サン・テミリオン中心地
  • 羽田、成田、関西以外の空港利用の場合はヨーロッパor中東各都市経由でパリへアクセス。

【ボルドー拠点の場合】

  • 羽田 or 成田 or 関西 [フライト時間:12〜13時間] ⇨ パリ・シャルル・ド・ゴール空港  [高速鉄道:約1時間30分] ⇨ ボルドー・メリニャック空港 [鉄道:約30分] ⇨ サン・テミリオン駅 [徒歩:約25分] ⇨ サン・テミリオン中心地

サン・テミリオン中心地の最寄り駅は「サン・テミリオン駅」になりますが、駅周辺でタクシーを捕まえることは困難なため、基本的には1.5kmほどを徒歩で歩くことになります。

もし徒歩でのアクセスを避けたい場合は、「ボルドー – サン・テミリオン」間の途中にある「リブルヌ駅」で下車し、ここからバスやタクシーでアクセスするのがおすすめです。

サン・テミリオンのホテル情報

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ サン・テミリオン地域 サン・テミリオンのホテル情報
  • サン・テミリオン中心地のホテル代金は高め
  • 大型ホテルは少なく古城風や民家風の小規模ホテルが中心
  • ボルドーを拠点とした日帰り観光がオススメ

サン・テミリオン中心地には、小規模な宿泊施設がいくつか点在しています。

宿泊施設は決して多くはないものの、中世の街並みに溶け込んだ歴史あるホテル、ブドウ畑が見られる風情あるホテルなど、サン・テミリオンならではの滞在ができる点はとても魅力的です。

ブドウ畑に囲まれて宿泊できるなんて憧れるね!
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ただし、宿泊費の相場はおよそ1泊3万円、最低でも1万円からと安くはないため、リーズナブルに宿泊したい場合は、近隣の街ボルドーを拠点に日帰りで訪れることを検討してみましょう。

参考文献・注意事項

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