こんな方にオススメの内容!
- なぜ「アントニ・ガウディの作品群」が世界遺産に登録されたのか理由が気になる!
- どの建築作品が世界遺産に登録されているのか全て知りたい!
- 現代建築物が世界遺産に登録される理由を知りたい!
- 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
- 世界遺産検定の受験を考えている!
- スペイン(バルセロナ)への旅行を考えている!
遺産ポイント
- ガウディ作品を語る上でキーワードとなる用語は「モデルニスモ」!
- 世界遺産に登録されている作品数は7つ!
- 作品の中には現在も建設中の建物もある!
「アントニ・ガウディの作品群」のプロフィール
登録名称 | アントニ・ガウディの作品群 |
---|---|
登録年 | 1984年 |
所在国 | スペイン |
登録ジャンル | 文化遺産(2005年に登録範囲拡大) |
登録基準 | (i)(ii)(iv) |
構成資産 | カサ・ミラ、グエル公園、グエル邸、サグラダ・ファミリア、カサ・ビセンス、カサ・バトリョ、コロニア・グエル聖堂の地下聖堂 |
キーパーソン「アントニ・ガウディ」とは?なにがすごいの?
ガウディ作品の一つ「カサ・ミラ」の屋上の様子
アントニ・ガウディという人物を一言で表現すると、下記になります。
建築界に衝撃と多大な影響を与えた天才近代建築家
1852年 | 銅版器具職人の息子として生まれる。 |
---|---|
10代 | バルセロナの建築学校に進学。 建築士の資格を取得。 |
20代(1870年頃) | パリの博覧会に自分の作品を出展。 ⇨実業家「エウゼビ・グエル」に注目され親交を持つようになる(この頃からグエルからの依頼などを受け、自分の作品を次々と世の中に出していくようになる) |
30代(1880年頃) | サグラダ・ファミリア建築のリーダーになる。 ⇨以後、サグラダ・ファミリアに専念する。 |
1926年 | 交通事故によってこの世を去る。 |
ガウディの建築物として世界遺産に登録されている「グエル公園」と「グエル邸」は、建築家としての自分を世に広めるきっかけを与えてくれたグエルから依頼された作品です。
(グエル公園とグエル邸は後述で詳しく解説します)
グエルはガウディを自分の後継者のような扱いをして、様々な作品の依頼やフォローをしてくれた恩師のような存在でした。
つまり、もしパリの博覧会に作品を出展しなければ、そして博覧会にてグエルとの出会いがなければ、現在ほどガウディの活躍や知名度は無かったかもしれないのです!
そしてガウディはある哲学(考え)を持っています。
自然の中に、すべての教科書がある
後述で紹介する世界遺産に登録された建造物群は、この自然の教科書の哲学によって誕生したものになります。
世界遺産に登録された理由
ガウディ作品の一つ「グエル公園」内にあるギリシャ神殿をイメージした柱
ガウディの建築作品が世界遺産に登録された理由は、大きく分けて下記の3点に分けられます。
- 建築美
- 影響力
- 建築技術
ちなみに世界遺産に登録されている建築物は、歴史漂う旧市街ではなく、なんと新市街に点在しています。
つまり、周辺の街並みや建物の歴史が評価されたわけではなく、建築技術や美しさを含む建築物自体に価値があると評価されたのです!
理由①:「モデルニスモ」を代表する建築物としての美しさ
ガウディは建物内部の装飾までも手がけている(カサ・ミラ内部の様子)
ガウディ設計の作品の美しさは、紛れもなく世界遺産登録の評価対象の一つです。
そんな美しい作品ができあがったポイントになる専門用語が「モデルニスモ」です!
【モデルニスモの特徴】
- 波を打つような美しいカーブ
- 細かい石や砂でできたタイルを用いてモザイクが描かれた装飾
前述の「キーパーソン「アントニ・ガウディ」とは?なにがすごいの?」でも少し触れたガウディの自然の教科書の哲学は、まさにこの独特な芸術様式に表れていると言えます。
従来の芸術様式と大きく異なる点は、自由な発想をそのまま作品に取り入れて表現している点です。
この自由に表現している点こそ、ガウディ作品が従来の建築作品と比べて独特な雰囲気を出していると言われる理由になります。
ちなみにモデルニスモと同じ意味合いで使われている芸術様式としては、フランスで流行った「アール・ヌーヴォー」が挙げられます。
簡単に言うと、”新しい芸術様式”といったニュアンスです。
なお、アール・ヌーヴォーが取り入れられて建築された代表的な建物としては、同じく世界遺産に登録されているパリの「エッフェル塔」などが挙げられます!
アール・ヌーヴォーやエッフェル塔に関しては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ併せて読んでみてください。
合わせて読みたい!【パリのセーヌ河岸】世界遺産登録理由&各名所の詳細をわかりやすく解説!理由②:文化交流
ガウディの影響を強く受けた芸術家の一人「サルバドール・ダリ」の落書き作品
前述の「理由①:「モデルニスモ」を代表する建築物としての美しさ」でも出てきた建築専門用語「モデルニスモ」。
これは数多くの芸術家にも多大な影響を与えました。
このように、多くの人々に多大な影響を与え、様々な芸術・技術の交流が誕生したという歴史に価値があると評価された場合は、世界遺産登録基準の(ii)を満たしやすいです。
数多くの芸術家の中でも、ガウディに影響を受けた芸術家として特に有名な人物が「サルバドール・ダリ」です。
彼はガウディ建築のことを「五感の建築」と呼んでいます。
これは前述でも出てきたガウディの哲学とも関係しており、自然から感じたイメージを作品に表現している姿などから来ています。
芸術や技術が広まることで、様々な芸術家・建築家との間で交流が生まれ、その交流からまた新しい芸術・技術が誕生し、さらに新たな段階の世界への道が切り開かれていきます。
つまり、芸術・技術の交流が新たな歴史の1ページを作ると言っても過言ではないのです。
理由③:建築技術
サグラダ・ファミリアの「ファサード」からはバルセロナを一望できる展望施設がある
ガウディ作品は主に19世紀以降に建てられた、いわゆる「近代建築物」というものです。
そして、近代建築物が世界遺産登録される場合、高確率で「建築技術」が評価対象になります。
つまり、ガウディの建築技術が世界に認められたことが世界遺産登録された理由の一つになるのです!
純粋に優れた技術が評価されて世界遺産に登録されたのは事実です。
一方で近代建築物の場合だと、下記の点で評価を受けることが非常に難しくなります。
- 歴史的な価値
- 貴重な伝統文化
とはいえ世界遺産登録において
「歴史があれば良い」
「伝統文化が育まれれば良い」
という問題でもありません。
前述の「理由①:「モデルニスモ」を代表する建築物としての美しさ」でも触れた、ガウディの独創的な建築技術・芸術に最も価値があると評価されたため、歴史が深かろうが浅かろうが関係ないのです。
このように、建築技術や芸術が評価される場合は、世界遺産登録基準の(iv)を満たしやすくなります。
(登録基準に関しては、こちらの記事で詳しく解説してます)
またガウディ建築の大きな特徴が、設計(構造)から装飾にいたるまで建築工程全体に統一感と関連性を持たせている点です!
例えば、通常であれば図面(2次元)に設計を書いていきますが、ガウディは設計の段階から立体的(デッサンや模型の作成など)に考えて作品作りに勤しんでいました。
このように実際の建築のみならず、建築前の設計工程の部分でも独創的な発想が含まれています。
構成資産一覧
ガウディ作品の一つ「カサ・バトリョ」内からバルセロナのストリートを眺める
1984年登録 | カサ・ミラ |
---|---|
グエル公園 | |
グエル邸 | |
2005年登録 | サグラダ・ファミリア(贖罪聖堂の一部) |
カサ・ビセンス | |
カサ・バトリョ | |
コロニア・グエル |
ちなみに、ガウディ作品の多くの名前についている「カサ〜」とは、スペイン語で「家(casa)」という意味です。
つまり、住居の建設に多く関わっていたことがわかりますね。
カサ・ミラ(Casa Mira)
美しい曲線が特徴の「カサ・ミラ」
【ポイント】
- ガウディの考えが最も表現されている作品
- 実業家「ペレ・ミラ」の依頼のもと設計
- 内部にある家具もガウディが手がけている
作品名の由来は、建築の依頼主である「ペレ・ミラ」から来ています。
カサ・ミラは5階建てのアパートで、1階がミラの邸宅となってました。
建物の外観がまるで石を切り出したままの状態に見えることから、スペイン語で”石切り場”という意味の「ラ・ペドレーラ」と呼ばれています。
このようにカサ・ミラは、自然界にある形を人工的につくった作品と言えます。
また内部にある美しい家具もガウディがデザインし、建物のデザインと釣り合った作品になっているのも特徴です。
家具を含めカサ・ミラの内部は、一部の住居スペースを除いて誰でも見学することができます!
ちなみに驚くことに、なんとこの世界遺産のカサ・ミラには、現在でも暮らしている住居人がいるのです!
つまり、単に作品として残されているのではなく、現役の住居としても機能していることになります。
グエル公園(Parl Guell)
常に多くの観光客で賑わっている「グエル公園」
【ポイント】
- イギリスの「ガーデンシティ」に影響を受けた
- 自然と芸術の中で生活する人々をイメージ
- バルセロナの街を一望できる小高い丘にある
グエル公園が他のガウディの作品と大きく違う点は、”自然の中に建てた”点になります。
グエル公園ができる以前から、イギリスでは「ガーデンシティ」という自然の中にできた住宅地が多くありました。
その様子を見ていたガウディと恩師のグエルは、スペインにもガーデンシティをつくろうと決断したのです。
そしてガーデンシティの建設のために、2人はバルセロナにある広大な丘一帯を買い占め大規模な建設に着手しました。
公園内の随所で自然と一体となるように設計された様子がわかる
また、当時のスペインでは、人間が生活する場所と自然が生育する場所を切り離して考えられてました。
その考えを一新して、”人間と自然と芸術が共存する住宅地”の建設を試みたのです!
しかし残念ながら、自然と共存した住宅地という考えは世間で受け入れられませんでした。
そのため当初の計画から大幅に変更され、建物自体の数は数棟にとどまってしまったのです。
その後、グエルが亡くなり、資金的にも建築に余裕がなくなったことから、バルセロナ市に公園として寄付し現在は公園という形で残っています。
なお、住宅地建設の予定だった時に完成した2つの住居のうち1つは、ガウディ本人の住居として使用されていました。
グエル邸(Palau Guell)
ガウディの師匠であるグエルの住居
【ポイント】
- ガウディの恩師「グエル」の住居
- 空間と光の演出にこだわりがある
- 唯一ガウディが一から完成まで手がけた作品
グエル邸の建築ポイントは、大きく分けて下記の2点です。
- 空間演出
- 光の取り入れ方
ガウディがグエル邸を設計する上で最も重要視したことが、”狭く暗い空間を広く明るく見せる”ことでした。
これを実現するためには、「空間」と「光」のつくり方にこだわりを持たなければなりません。
グエルの要望は主に下記になります。
- 家族の住居としての空間
- 事業者(ブルジョワジー)が集うのにふさわしい空間
特に後者に関しては、単なる住居空間にするのではなく、事業者が暮らすのにふさわしい空間演出にしてほしいという強い要望がありました。
つまり、狭くて暗い空間などもってのほかだったわけです。
とりわけ空間演出と光の取り入れにこだわっている部分は、遠近法を利用して広く見せるために天井をドーム状にしている点です。
また、ねじれ階段や日干しレンガのような内壁など、要所要所にこだわりのデザインが見られます。
サグラダ・ファミリア(Basilica de la Sagrada Familia)
バルセロナ市内で最も高い建物「サグラダ・ファミリア」
【ポイント】
- ガウディ設計最大規模の建築物
- 建設途中に世界遺産に登録
- 日本人建築家も関わっている
ガウディ建築作品の中で特に有名な作品と言えるのが、やはり「サグラダ・ファミリア」ですね!
まず、なんと言ってもその建物の規模の大きさです。
最高部の高さはなんと172m。
この高さは、東京タワーの第1展望台の高さ150mよりも高いのです!
ただし、172mという高さはあくまでも”完成したら”の話です。
つまり、サグラダ・ファミリアは未完成の状態で世界遺産登録されたです。
一言にサグラダ・ファミリアと言っても、作品全体が世界遺産に登録されているわけではありません。
世界遺産に登録された2005年時点では、聖堂の下記の部分のみが世界遺産の対象になってました。
- 生誕のファサード
- 地下聖堂
なお、現在でもサグラダ・ファミリアが建設中である最大の理由は、設計者であるガウディが建設途中で亡くなってしまったからです。
サグラダ・ファミリアはいつ完成する?建設の苦難の歴史
サグラダ・ファミリアの展望エリアに行くと建設中の現場を間近で見られる
前述の「キーパーソン「アントニ・ガウディ」とは?なにがすごいの?」の経歴でも触れたように、ガウディは1926年に交通事故によってこの世を去っています。
つまり、ガウディはサグラダ・ファミリアの完成を見ることができなかったのです。
建設のリーダーであるガウディの死は、間違いなくサグラダ・ファミリア建設に遅れを招いたきっかけです。
さらに、サグラダ・ファミリアの建設に時間がかかっている理由には、他にも下記などが挙げられます。
- 20世紀初頭に勃発したスペイン内戦
- 建設資金不足
スペイン内戦によって、サグラダ・ファミリアに関わる設計書など、重要な資料の多くが失われてしまいました。
当然のことながら、設計書が無い状態ではスムーズに建設を進めることはできません。
さらに、建設にかかる費用が不足した影響もあり、スペイン内戦が終わってから約10年間は建設をすることができなかったのです。
しかしその後は、設計書の発見や復元、世界各国の建築支援、観光収入などによる資金不足の解消によって、懸念されていた建設年数は大幅に短縮されました。
なお、サグラダ・ファミリアの完成は「2026年」予定となっています!
サグラダ・ファミリアの建設に日本人彫刻家が関わっている
様々な色のステンドグラスの光が交差するサグラダ・ファミリアの内部
前述の「サグラダ・ファミリアはいつ完成する?建設の苦難の歴史」でも少し触れたように、サグラダ・ファミリアの建設には世界中の建築家や芸術家が関わっています。
そして驚くべきことに、サグラダ・ファミリアの彫刻部分のリーダーには日本人が就任しているのです!
その日本人彫刻家とは「外尾悦郎(そとおえつろう)」さんです。
外尾氏は京都の芸術大学を卒業後、日本からバルセロナへ拠点を移し、サグラダ・ファミリアの建設に関わっています。
図面による設計を行っていなかったガウディの建設理念を理解するために、長い年月をかけて熱心に勉強しました。
その情熱が認められ、サグラダ・ファミリアの彫刻部分のリーダーに任命されたのです。
外尾氏が手がけた「生誕の門」の彫刻
なお、外尾氏が担当している具体的な彫刻作品としては「15体の天使の像」が挙げられます。
この作品の特徴は以下の通りです。
- 天使の躍動感が伝わってくる
- 西洋のみならず東洋にも天使が存在することを主張
このように、世界的に有名な建物に日本人が大きく関わっていることを考えると、なんだか誇らしく感じますよね。
なお、サグラダ・ファミリアの建築構造、デザイン、建築秘話などについては、下記の書籍内でイラスト付きでわかりやすく解説されてます。
気になる方は、ぜひ一度手に取って読んでみてください。
- 商品名:歴史がわかる世界遺産イラスト大図鑑
発売日:2021年3月 - Amazonから購入
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カサ・ビセンス(Casa Vicens)
赤褐色のタイルが特徴的な「カサ・ビセンス」
【ポイント】
- ガウディ初期の作品
- 実業家「マヌエル・ビセンス」による依頼
- 「ムデハル様式」という独特な建築様式を導入
実業家のビセンスは、事業に成功して比較的裕福な生活を送っていたことから、自分の住居の設計をガウディに依頼して建てることを決めました。
このように、住居の設計を依頼する人物は、金銭的に余裕のある実業家であるケースが多いのです。
また、カサ・ビセンス最大の特徴と言ってもいいのが「ムデハル様式」です!
キリスト教の伝統様式 × イスラム教様式 = ムデハル様式
つまり、イスラムの雰囲気を感じることができる作品なのです。
かつてスペインはイスラム教徒に支配されていました。
その名残から、現在でもイスラム風の建物が数多く残っています。
このカサ・ビセンスも、イスラム様式に強い影響を受けて建設されて誕生した作品なのです。
カサ・バトリョ(Casa Batollo)
青いタイルが特徴的な「カサ・バトリョ」
【ポイント】
- 改築をしたガウディ作品
- 「海」をテーマにタイルやステンドグラスを多用に用いている
- 各部屋の曲線が特徴的
1877年に建設されたバトリョ家の邸宅で、有名なサグラダ・ファミリアの建設スタートよりも早い、比較的歴史のある建物です。
「海」をテーマにしているため、海に反射した太陽光を再現するために、色とりどりのモザイクタイルを多用しているのが特徴です。
ただしガウディが関わったのは、既に完成されていたカサ・バトリョの改築でした。
つまり、一から建設したのではなく、あくまでもガウディ風の作品に仕上がるように手を入れた形になります。
また、ガウディが設計した家具の一部は現在もカサ・バトリョにあるものの、その他の家具の多くが「カタルーニャ美術館」で保管されています。
コロニア・グエル教会の地下聖堂(Cripta de la Colonia Guell)
バルセロナ郊外に位置するため観光客が少なく静かな空間が特徴
【ポイント】
- 工業団地に建てられた教会
- 教会の地下聖堂部分のみ世界遺産に登録
- 教会の周辺には他にも様々な建物が点在
工業団地の一角に建てられた教会の地下にある聖堂のみが、世界遺産に登録されています。
地下の聖堂のみが世界遺産に登録された理由は、ガウディが生存していた時代に唯一完成した作品だったからです!
そもそも工業団地に教会が建てられた理由は、工場で働く人々が離れた自宅に帰らずとも、仕事終わりにすぐに教会に祈りを捧げられることを目的としていたためです。
もちろん教会以外にも、「労働者の住居」「学校」など、私生活を送る上で必要な施設を建造する計画でした。
本日の確認テスト
(「世界遺産検定」の概要についてはこちらの資料を参考にしてください)
3・4級レベル
スペイン・バルセロナにある「サグラダ・ファミリア」「グエル公園」などを設計した建築家の人物名として正しいものはどれか。
- ル・コルビュジエ
- アントニ・ガウディ
- ドメネク・イ・モンタネール
- フランク・ロイド・ライト
②
答え(タップ)>>2級レベル
サグラダ・ファミリアなどの建設の際のテーマとなった建築専門用語の名称として正しいものはどれか。
- カーポート
- モデルニスモ
- ユニバーサル・スペース
- モダニズム
②
答え(タップ)>>1級レベル
『アントニ・ガウディの作品群』の説明として正しいものはどれか。
- 「カサ・ミラ」は実業家「ペレ・ミラ」の依頼のもと設計されたガウディの考えが最も表れている作品。
- ガウディはパリの博覧会で自分の作品に注目したサルバドール・ダリと出会い作品の設計依頼を受けるようになる。
- 1984年時点で世界遺産に登録されたガウディ作品は5つ。
- サグラダ・ファミリアでは幾何学模様の装飾やアラベスク文様を随所に見ることができる。
①
答え(タップ)>>まとめ
- 1984年に「カサ・ミラ」「グエル公園」「グエル邸」、2005年に「サグラダ・ファミリア」「カサ・ビセンス」「カサ・バトリョ」「コロニア・グエル」が世界遺産登録された!
- パリの博覧会でエウゼビ・グエルと出会った出来事がガウディ作品が世の中に広まるきっかけとなった!
- ガウディ作品には「モデルニスモ」が多いに採用されている!
- ガウディ作品はサルバドール・ダリをはじめ数多くの建築家・芸術家に影響を与えた!
- ガウディは設計から装飾にいたるまで建築工程全体に統一感と関連性を持たせている!
- スペイン内戦による資料の消失や資金不足によってサグラダ・ファミリアの建設は大きく遅れた!
おまけ:「アントニ・ガウディの作品群」のプチ観光情報
バルセロナの街並み
所在都市 | バルセロナ |
---|---|
人口 | 約160万人 |
最寄の空港 | バルセロナ・エル・プラット国際空港 |
通貨 | ユーロ |
観光のベストシーズン | 通年(観光シーズンの5〜9月は非常に混雑する) |
時差 | 7時間(東京 – バルセロナ間) ※日本の方が7時間進んでます。 |
治安 | 比較的良好 |
物価 | 日本とほぼ同じ |
ガウディ作品のあるスペイン・バルセロナへの日本からの直行便は、残念ながら就航していません。
そのためバルセロナへは主に下記のようなアクセスになります。
- 日本各都市の空港 ⇨ 中東(ドバイ、アブダビ。ドーハ、他) ⇨ バルセロナ(フライト時間:約18〜20時間)
- 日本各都市の空港 ⇨ ヨーロッパ(ロンドン、フランクフルト、他) ⇨ バルセロナ(フライト時間:約14〜16時間)
また、バルセロナをはじめスペインの治安は以前に比べると良くなっています!
(夜一人で出歩いても問題ないぐらい)
ただし、スリや置き引きなどの軽犯罪には最低限気をつけましょう。
世界遺産の作品群を巡るおすすめルート
美術館や噴水ショーなど見所が多い「スペイン広場」
バルセロナ市内に点在するガウディ作品を全て訪れるには、あらかじめ巡るルートを確認しておくことがポイントです!
今回は、世界遺産に登録されている7つのガウディ作品を巡る際のおすすめルートをご紹介します。
日にち | 順番 | 所要時間 | 作品名称 | 予約必須度 |
---|---|---|---|---|
1日目 | 1 | 3時間 | サグラダ・ファミリア | 高 |
2 | 2時間 | カサ・ミラ | 中 | |
3 | 1時間半 | カサ・バトリョ | 低 | |
4 | 1時間半 | グエル邸 | 中 | |
2日目 | 1 | 1時間 | コロニア・グエル | 低 |
2 | 1時間 | カサ・ビセンス | 低 | |
3 | 3時間 | グエル公園 | 高 |
世界遺産に登録されているガウディ作品の分布地図(赤色が1日目、青色が2日目)
他のバルセロナの観光名所を除いてガウディ作品のみ観光することを前提とすると、おおむね2日あれば十分回ることが可能です!
1日目は、ガウディ作品で最も人気のある「サグラダ・ファミリア」を中心にバルセロナ市内を南下するルートです。
「サグラダ・ファミリア – カサ・ミラ」間は徒歩20分ほどかかりますが、他の作品を含め歩いて周ることができます。
一方で2日目は1日目とは違い、バルセロナ中心部から離れた作品を訪れるため鉄道を使ったルートになってきます。
その鉄道を使用しなければ訪れることが困難な作品とは「コロニア・グエル」です!
ただ、鉄道を使用すれば往復1時間(最寄り駅から歩く時間を含めると1時間半)ほどで着くことが可能です。
また、コロニア・グエルは他の作品と違い営業時間が非常に短いため、午前中に訪れることが絶対条件になってきます!
ただ他の2作品(カサ・ビセンスとグエル公園)は比較的近い距離にあるため、徒歩で周ることは十分に可能です。
開園前から行列ができている「グエル公園」の入り口
また、サグラダ・ファミリアやグエル公園といった人気作品は、当日チケットの購入だと完売 or 行列に並ぶという悲劇に見舞われる可能性が非常に高いです。
ですので、サグラダ・ファミリアとグエル公園に関しては、必ず公式ホームページで事前予約をしておきましょう!
(サグラダ・ファミリアの公式ホームページはこちら、グエル公園はこちら)
おすすめホテル:セント・クリストファーズ・イン・バルセロナ(St Christopher’s Inn Barcelona)
【宿泊ポイント】
- 観光拠点として非常に便利なバルセロナの中心地に位置
- 宿泊費の高いバルセロナの中では比較的低予算で済む
- 世界中のバックパッカーなどが集い気軽に国際交流ができるドミトリー
セント・クリストファーズ・インの魅力は、やはりなんと言ってもロケーションの良さです!
徒歩15分圏内には、世界遺産に登録されている下記の作品が点在しています。
- カサ・ミラ
- カサ・バトリョ
- グエル邸
- カタルーニャ音楽堂(ガウディとは別の建築家の世界遺産)
また、バルセロナ中心部のホテルの価格相場は、1部屋あたり2万円前後です。
一方で当ホテルは1泊1万円以下で宿泊が可能なため、宿泊費を抑えたい若者やバックパッカーに人気のドミトリーとなってます。
夜は宿泊者以外も利用できるスポーツバーになる
さらに単に宿泊できるだけではなく、曜日によって様々なイベントを開催している点も特徴的です!
エントランスに隣接したバーでは、スポーツ観戦イベントやDJイベントなどが行われ、宿泊者同士で交流できるようなキッカケもあります。
バルセロナ観光を楽しみつつ、国際交流も充実させたい方には非常におすすめできるドミトリーですね!
- セント・クリストファーズ・イン・バルセロナ
参考文献・注意事項
- 当記事の内容は「世界遺産検定1級公式テキスト<上>」と「世界遺産検定1級公式テキスト<下>」を大いに参考にしています。
- 当記事は100%正しい内容を保証するものではありません。一部誤った記載が存在する可能性があることをあらかじめご了承ください。