こんな方にオススメの内容!
- なぜ万里の長城が世界遺産に登録されたのか理由が気になる!
- 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
- 世界遺産検定の受験を考えている!
- 中国の歴史に興味関心がある!
- 次の旅行先の候補地を探している!


遺産ポイント
- 万里の長城の建造目的は他民族の侵攻を防ぐため!
- 中国各地に点在する城壁が繋がってとてつもなく長い城壁(長城)が完成した!
- 現在見られる城壁の多くが明の時代に建てられたもの!
- 防壁の役目だけでなく文化交流の場としても重宝された!?
「万里の長城」のプロフィール
登録名称 | 万里の長城 |
---|---|
登録年 | 1987年 |
所在国 | 中国 |
登録ジャンル | 文化遺産 |
登録基準 | (i)(ii)(iii)(iv)(vi) |
備考 | 新・世界七不思議に選出 |
万里の長城が築かれた目的と時代による変化

上空から見ると改めて万里の長城の長さが感じ取れる
万里の長城は”宇宙からもその姿が見れる”とも言われるほど巨大な建造物で、中国北部に東西約20,000kmにわたって連なっており世界最大規模の城壁です。
さらに、こんなにも巨大な城壁は紀元前770年(現在から約2800年前)に建てられており、大昔の人々の技術のすごさに驚くばかりですよね。



「なぜこんなにも巨大な城壁が誕生したのか」
という謎の解明を中心に万里の長城について解説していきます!
万里の長城は北方民族の攻撃に備えた城壁の役割

今も残っている防衛目的で建造された歴史が感じ取れる軍備設備
結論から言ってしまうと、万里の長城が築かれた目的は、北方民族からの攻撃に備えるためです!
北方民族とは中国の北部にいる民族の総称で、主な民族としては匈奴(きょうど)などが挙げられます。
中国の国土は、海に面している東側以外は隣国と接しているため、昔から度々隣国の民族の侵攻が相次いでました。
特に北部の民族からの侵攻が頻繁に発していたため、中国北部に巨大な城壁を築いて侵攻に備えようとしたのです。

万里の長城が築かれ始めた当初は、中国に点在する各国がそれぞれ城壁を築いていました。
しかしその後、中国を初めて統一した秦の始皇帝によって、各国が築いた城壁をつなぐ整備・改築がされるようになりました。
そう、各国の城壁をつないだことで一つの長く巨大な城壁(長城)に姿を変えることになったのです!


さらにその後、将軍の蒙恬(もうてん)によって整備されて現在見られる万里の長城の原型が完成したとされています。
時代を重ねるごとにエリアを拡大し続ける万里の長城

万里の長城の最西端に位置する「嘉峪関(かよくかん)」エリアの長城


前述の「万里の長城は北方民族の攻撃に備えた城壁の役割」でも触れたように建造当初は中国北部の一部分に城壁が築かれていました。
しかしその後、時代が変わるごとに長城は東西へと伸びていきます!
西は中国の敦煌(とんこう)という世界の交易の拠点として栄えた都市まで伸び、東は渤海(ぼっかい)という現在の天津などの都市が面する湾まで伸びました。


そして、現在も残っている万里の長城の最西端と最東端は以下の通りです。
最西端 | 嘉峪関(かよくかん) |
---|---|
最東端 | 山海関(さんかいかん) |



現在見られる万里の長城は明の時代のもの

明時代に建てられた城壁は中国政府が厳重に保護していることもあり良質な状態で残っている
長らく建造し続けられた万里の長城ですが、ついに清の時代(17世紀頃)に建造の終わりが来ます。


清は北方民族の一つの「女真族(じょしんぞく)」という民族の王朝でした。
つまりこれまでは北方民族に備えた城壁の建造でしたが、王朝が北方民族と関係があることから城壁の建造をする必要性がなくなったのです!
またろくに整備もされなかったため、清の時代に万里の長城は次第に廃れていくこととなります。

このように清の時代には全く城壁が築かれなかったことから、現在見られる万里の長城は清の時代の前の王朝である明の時代のものということになります。


清の時代が終わり、その後正式に現在の中華人民共和国が成立すると、改めて文化財としての万里の長城の貴重さがうたわれるようになってきました。
そこで、万里の長城を保護しようと中国政府が動いたのです!
具体的には、「国家重点文物保護単位」という中国で定められた文化財を保護する制度に指定されました。


現在も状況に応じて保護体制を絶えず更新し続けており、万里の長城がいかに中国にとって重要な文化財であるかがわかりますね。
このように、中国数千年もの歴史を物語っている建造物が現存している点に対して、「登録基準(iii)」が認められたことが世界遺産登録の理由の一つです!
万里の長城周辺で起きた文化交流

雪化粧をした万里の長城
前述の「時代を重ねるごとにエリアを拡大し続ける万里の長城」で解説したように、万里の長城はとてつもない長さを誇る建造物です。
そのため万里の長城は、数多くの民族の領土にまたがるようにして建造されていました。
多くの国土にまたがるように建造されていた影響で、万里の長城を挟んで数多くの民族が周辺で生活をしていたため、万里の長城周辺では民族や隣国同士での文化交流や交易も行われていたのです!

このように文化の交流や交易を促し、独特な文化圏が形成された点に対して世界遺産の登録基準(ii)が認められました!

世界遺産登録範囲は「八達嶺長城」など大きく分けて3つ

八達嶺(はったつれい)エリアの長城は常に多くの観光客で賑わいを見せている


万里の長城の中で世界遺産に登録されているのは、大きく分けて下記の3エリアになります。
- 八達嶺(はったつれい)長城エリア
- 山海関(さんかいかん)エリア
- 嘉峪関(かよくかん)エリア


なお、世界中の観光客で最も賑わいを見せているのが「八達嶺長城エリア」です。
首都の北京から比較的アクセスがよく、日本のツアーなどでもこのエリアが組み込まれることが多いですね!

本日の確認テスト



(「世界遺産検定」の概要についてはこちらの資料を参考にしてください)
3,4級レベル
世界遺産に登録されている城壁の中で北京郊外に位置するエリアの名称として正しいものはどれか。
- 山海関
- 八達嶺
- 玉門関
- 嘉峪関
②
答え(タップ)>>2級レベル
現在見られる城壁が建造された時代の名称として正しいものはどれか。
- 清
- 元
- 唐
- 明
④
答え(タップ)>>1級レベル
『万里の長城』に関する説明として誤っているものはどれか。
- 城壁周辺では他民族間の文化交流や交易が行われていた。
- 中国政府により「国家重点文物保護単位」に登録され保護されている。
- 秦の始皇帝によって統一国家である中国が誕生した際に各国が建造した城壁が統合されていった。
- 清の時代に本格的に城壁の整備が行われ明の時代よりも強度の高い素材で城壁が建てられていった。
④
答え(タップ)>>「万里の長城」のまとめ

- もともとの万里の長城の建造目的は北方民族からの侵攻を防ぐため!
- 中国を統一した秦の始皇帝によって各国が築いた城壁が繋がりとてつもなく長い城壁が誕生した!
- 清の時代に城壁の建造や整備が終わったため現在見られる城壁は明の時代に建てられたもの!
- 万里の長城周辺では民族や隣国同士での文化交流や交易が行われていた!
- 世界遺産に登録されているのは「八達嶺(はったつれい)長城」「山海関(さんかいかん)」「嘉峪関(かよくかん)」の3つのエリア!
おまけ:万里の長城のプチ観光情報

空港のある最寄の街 | 北京 ※最も多くの観光客が訪れる「八達嶺長城」の場合の最寄都市 |
---|---|
最寄の空港 | 北京首都国際空港 |
時差 | 1時間(東京 – 北京間) ※日本の方が1時間進んでます。 |
観光のベストシーズン | 4〜10月 ※冬季は積雪の影響で閉鎖されることもあります(八達嶺長城の場合)。 |
治安 | 比較的良好 |
物価 | 少し安い(日本の2/3程度) |
入場料 | 4〜10月:約700円 11〜3月:約600円 |
八達嶺エリアの長城にほど近い北京へのフライトは、日本から非常に多く就航していますのでアクセスは抜群に良いです!
主なフライトは下記になります。
- 日本の各空港 → 北京首都国際空港(フライト時間:約3時間半〜5時間)

基本的には、北京の中心部から電車やバスを使ってアクセスすることになりますが、北京郊外に位置することもあり個人で行くとなると少しハードルが高くなります。
そのため、確実に万里の長城へ行きたい方には現地発のツアーに参加することを強くオススメします!

北京市内には万里の長城へ行くツアーデスクが非常に多くありますので、ツアー申し込みで苦戦することはほぼないでしょう。
また宿泊先のホテルによってはエントランスでツアーを申し込むことも可能です(ただツアー料金が高めなのであまりオススメはしませんが、苦笑)。
それでももし
「個人で行きたい」
「なるべく費用を安くして訪れたい」
このように考えているのであればバスや電車を使って訪れるのもありです。

電車の場合は、「北京北駅」から新幹線で「八達嶺長城駅」まで向かうことになりますが、本数が決して多くはないため当日購入しようとすると売り切れている可能性もあるので新幹線のチケットは事前購入がオススメですね。

万里の長城観光の注意点


- かなり急勾配な箇所が数多く存在するため訪れる際は必ず動きやすい靴で来てください。
- 冬季は雪が積もったりと非常に滑りやすくなるため冬以外に訪れることをおすすめします。
- 城壁とはいっても壁が低い部分があるため壁が低い箇所の場合はなるべく反対側の壁が高い方を歩いてください。
- 北京からほど近い八達嶺長城エリアは多くの観光客で賑わうため休日は入場制限がかかる場合があります。
いくら整備されている城壁とはいえ、急勾配な箇所や壁が低いエリアがいくつの存在します。
なので動きやすい靴や服装で来ることが非常に大切です。
特に多くの観光客で賑わう休日や夏季シーズン時は歩けるスペースが狭くなるので、景色ばかりではなく足元にも注意して観光してください!

参考文献・注意事項
- 当記事の内容は「世界遺産検定1級公式テキスト<上>」と「世界遺産検定1級公式テキスト<下>」を大いに参考にしています。
- 当記事は100%正しい内容を保証するものではありません。一部誤った記載が存在する可能性があることをあらかじめご了承ください。