【アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道】世界遺産に登録された理由や建設目的&魅力ポイントを解説!

こんな方にオススメの内容!

  • なぜ「レーティッシュ鉄道(アルブラ線・ベルニナ線)」が世界遺産に登録されたのか理由が気になる!
  • 産業遺産の魅力を理解したい!
  • 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
  • 世界遺産検定の受験を考えている!
  • スイス・イタリアへの旅行を考えている!

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ ブルートラベラー 青野真
今回は「アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道」についておもしろ&わかりやすく学んでいきましょう!

鉄道の世界遺産!なぜ登録されたのか理由が気になるね!
おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ レオンくん

遺産ポイント

  1. アルプスの最高地点を通る山岳鉄道!
  2. 多くの人々を安全に輸送するために最新技術が使われて建設された!
  3. 鉄道や路線だけでなく周辺の景観も含めて世界遺産に登録されている!

「アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道」のプロフィール

登録名称アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道
登録年2008年
所在国スイス、イタリア
登録ジャンル文化遺産
登録基準(ii)(iv)
備考トランス・バウンダリー・サイト&シリアルノミネーション・サイト

そもそもアルブラ、ベルニナ、レーティッシュ鉄道とは

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道 そもそもアルブラ、ベルニナ、レーティッシュ鉄道とは

答えから言うと、レーティッシュ鉄道とはスイスの鉄道名を指します。

そしてそのレーティッシュ鉄道が通る路線の名称が「アルブラ」と「ベルニナ」になります。

つまり、世界遺産の登録範囲としては下記になります。

  1. レーティッシュ鉄道そのもの
  2. レーティッシュ鉄道の路線の一つ「アルブラ線」の景観
  3. レーティッシュ鉄道の路線の一つ「ベルニナ線」の景観

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鉄道自体に価値があることに加えて、鉄道が走る路線の景観にも価値があるということです!

この鉄道が開通したからこそ見られる景観にも価値があるんだね!
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日本の鉄道で例えるなら

レーティッシュ鉄道 = JR
アルブラ線&ベルニナ線 = 山手線&中央線

このようなイメージですかね(笑)

なお、レーティッシュ鉄道はアルブラ線とベルニナ線以外にも路線はありますが、世界遺産に登録されているのはこの2つの路線のみです。

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ちなみにレーティッシュ鉄道は日本の箱根登山鉄道と姉妹鉄道提携を結んでいます!

レーティッシュ鉄道(アルブラ線・ベルニナ線)が世界遺産に登録された理由

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道 レーティッシュ鉄道(アルブラ線・ベルニナ線)が世界遺産に登録された理由

アルブラ線とベルニナ線を走るレーティッシュ鉄道が世界遺産に登録された要因は大きく分けて下記の2つになります。

  1. 山岳鉄道建設における最高レベルの技術を用いて開通した点
  2. 鉄道開通によって街の発展や文化交流に貢献した点

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レーティッシュ鉄道の開通はその後の鉄道建設にも大きな影響を与えました!

鉄道建設に使われた技術力の高さ

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道 鉄道建設に使われた技術力の高さ

ヨーロッパ最高所の鉄道駅オスピツィオ・ベルニナ駅(標高約2,253m)

技術力の高さを理解するために、まずはアルブラ線とベルニナ線2つの路線の特徴を比較してみましょう!

アルブラ線ベルニナ線
開通年1904年1910年
総距離約67km約61km
最高地点の標高1,819m2,253m
トンネルの数42カ所13カ所
橋の数144カ所52カ所

上記2つの路線の諸情報からわかることとしては

  • アルブラ線はトンネルや橋の数が多いことからわかるように、数多くの山の中を通っている。
  • ベルニナ線は走行する標高が比較的高め。

こんな感じですね。

アルブラ線はとにかく険しい山中を駆け抜ける路線です。

そのため下記のような特徴を持った路線になってます。

  • 巨大なアルブラ峠を越えるために作られた約6kmのロングトンネル
  • 約400mの高さ(高度差)を乗り切るための5つのループトンネル

全てにおいて規格外な路線建設だったんだね!
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一方でベルニナ線は、アルプスの最高地点を走る鉄道として有名になりました。

つまり、これほどまでに標高の高いところに鉄道を走らせた前例がこれまで無かったことを意味してます!

標高の高い場所でも鉄道を走らせる技術があったことを証明してるね!
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特にベルニナ線で有名な場所が、「ブルージオのループ橋」です!

スイスを象徴する鉄道風景といえばこれっ!

このように言っても過言ではない場所で、世界中の観光客の憧れの路線となってます。

アルプスは非常に厳しい自然環境です。

そんな過酷な自然条件を克服して鉄道が開通したことは、その後の鉄道建設に大きな影響を与えたことは言うまでもありません。

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鉄道などの産業遺産は、その後の時代や他の国などに大きな影響を与えた点が評価される傾向があります!

ちなみにアルブラ線は開通してから20年も経たないうちに

蒸気機関車によって引っ張られて運行 → 電気機関車

このように変わりました!

鉄道開通による街と交流の発展

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道 鉄道開通による街と交流の発展

レーティッシュ鉄道はスキーリゾートとして人気の「サンモリッツ」付近も走る

アルプス付近ではなんと新石器時代(約8000〜1万年前)から民族による交流がありました。

しかしやはり標高の高いアルプス山脈が交流を妨げていたのです。

つまり、数千年前からアルプス山脈を越えるようなルートが必要とされていたわけです!

なんとそんな前から!アルプス超えは大昔の人々の願いでもあったんだね!
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現代においては、主に下記のような要望を満たすために、レーティッシュ鉄道のアルブラ線とベルニナ線の開通が求められました。

  • 道路やホテルなど街のインフラやサービスを整えるために人や建設素材を運びたい!
  • 一人でも多くの観光客を運びたい!

さらにどんな要望にも共通していたのが、多くの人々を安全で快適かつ定期的に輸送する必要がある、というものです!

要するに、たとえ安全だとしても1回の輸送に時間がかかってしまってはいけない。

逆にたとえ迅速に輸送できても危険をおかしてはいけない、ということです。

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この条件を見事にクリアして開通したのがレーティッシュ鉄道のアルブラ線とベルニナ線なわけです!

こうして2つの路線が開通したことにより、人々や物資の輸送が比較的スムーズにできるようになりました。

また、人々の移動がスムーズにできるようになったことで、都市間の交流がより盛んになっていきました

ちなみにレーティッシュ鉄道は、1928年&1948年に冬季オリンピックが開催された「サンモリッツ」を沿線に持っており、スキーリゾートに向かう鉄道としての重要な役割も持ってます!

雪山を車で走るのは大変だから鉄道があると助かるよね!
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景観が評価されているのに自然遺産の価値を満たさない理由

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世界遺産の登録範囲には景観も含まれているはずなのに、なんで自然遺産としての価値は評価されてないの?
おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ レオンくん

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良い質問だね!それは「鉄道の開通」を前提に考えると理解できるよ!

レーティッシュ鉄道が自然遺産の価値を持たない理由の答えを言うと、そもそも自然自体には価値が認められていないからです!

前述の「そもそもアルブラ、ベルニナ、レーティッシュ鉄道とは」でも触れたように、世界遺産の登録範囲には”景観”も含まれています。

さらに景観を厳密に表現すると「レーティッシュ鉄道のアルブラ線、及びベルニナ線の景観」に価値があると評価されています。

つまり、この2つの鉄道路線以外の景観は評価対象に入っていないのです!

自然単体ではなく、アルブラ線とベルニナ線を含んだ景観にこそ価値があったんだね!
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もしアルブラ線とベルニナ線が完成していなかったら、たとえレーティッシュ鉄道が他の路線を走っていたとしても、また周辺にどんなに美しく雄大な自然があったとしても、世界遺産には登録されなかったということです。

このように、鉄道が開通したからこそ見られるようになった景観がポイントになります!

本日の確認テスト

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今後「世界遺産検定」の受験を考えている方はぜひ下記の問題にトライしてみてください!

(「世界遺産検定」の概要についてはこちらの資料を参考にしてください)

2級レベル

レーティッシュ鉄道で世界遺産に登録されている路線の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. アルブラ線・オーバーランド線
  2. フェライナ線・ベルニナ線
  3. アルブラ線・ベルニナ線
  4. フェライナ線・オーバーランド線

答え(タップ)>>

1級レベル

『アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道』の説明として正しいものはどれか。

  1. ベルニナ線はアルプスの最高地点を走る鉄道として有名である。
  2. レーティッシュ鉄道の一部路線は冬季オリンピックの開催地にもなったグルノーブル周辺を走る。
  3. 紅茶の輸送と避暑客の便宜を図るために1879年に建設が開始された。
  4. レーティッシュ鉄道の設計者はカール・リッター・フォン・ゲーガである。

答え(タップ)>>

※「3,4級」レベルのトレーニングテストは対象外になります。

まとめ

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道
  • 世界遺産の登録範囲は、レーティッシュ鉄道そのものとアルブラ線ベルニナ線を含んだ景観!
  • アルプスの最高地点を走るなど山岳鉄道建設における最高レベルの技術を用いて建設された!
  • アルプス越えの鉄道建設は新石器時代からの人々の願い
  • 多くの人々を安全で快適かつ定期的に輸送することを重点に置いて建設された!
  • 鉄道路線の開通が街や交流の発展に大きく貢献した!
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おまけ:レーティッシュ鉄道(アルブラ線・ベルニナ線)のプチ観光情報

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道 レーティッシュ鉄道(アルブラ線・ベルニナ線)のプチ観光情報

レーティッシュ鉄道が通る国はスイスとイタリアですが、世界遺産に登録され、且つ両国間を走る路線は「ベルニナ線」になります。

またベルニナ線は、レーティッシュ鉄道の中でも特に観光客に人気の「ベルニナ・エクスプレス(ベルニナ急行)」が走っています。

というわけで、今回のプチ観光情報はベルニナ線を中心に紹介します!

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ベルニナ線はあの有名な「ブルージオのループ橋」も通る大人気路線です!

ベルニナ・エクスプレス乗車駅までのアクセス

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道 ベルニナ・エクスプレス乗車駅までのアクセス

スイスの玄関口チューリッヒの街並み(チューリッヒから最寄りの都市サンモリッツまで移動することになる)

ベルニナ線の起点となる街はそれぞれ下記になります。

  • スイス:サンモリッツ(最寄りの大都市:チューリッヒ)
  • イタリア:ティラーノ(最寄りの大都市:ミラノ)

まずは最寄りの大都市まで下記の方法などでアクセスしましょう!

  • 成田 ⇨ チューリッヒ(フライト時間:約12時間30分)
  • 羽田・関空など ⇨ ヨーロッパ各都市 ⇨ チューリッヒ(フライト時間:約14時間00分)
  • 成田or羽田 ⇨ ミラノ(フライト時間:約13時間00分) ※ただし直行便の就航状況は流動的に変わります。
  • 関空など ⇨ ヨーロッパ各都市 ⇨ ミラノ(フライト時間:約14時間30分)

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ドバイなどの中東諸国経由でアクセスすることもできます!

チューリッヒ、またはミラノに着いたらそれぞれの起点となる街(スイス:サンモリッツ、イタリア:ティラーノ)まで鉄道でアクセスします。

  • チューリッヒ中央駅 ⇨ サンモリッツ(乗車時間:約3時間30分)
  • ミラノ中央駅 ⇨ ティラーノ(乗車時間:約2時間30分)

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運行本数は決して多くはないので事前に乗車チケットを予約しておくことを強くおすすめします!

サンモリッツ、またはティラーノに到着したら、あとはそこからベルニナ・エクスプレスに乗車するだけです。

ベルニナ・エクスプレス乗車における注意点

おもしろわかる!世界遺産ユニバーシティ アルブラとベルニナの景観とレーティッシュ鉄道 ベルニナ・エクスプレス乗車における注意点

ベルニナ・エクスプレスに乗車する際には、下記の2つの注意点があります。

  • 乗車券&座席指定券は必ず事前予約をして購入する!
  • 夏季と冬季とでは時刻表や運行本数に大きな違いがある!

ベルニナ・エクスプレスは世界中の観光客に人気の鉄道です。

そのため数ヶ月前から事前に乗車チケット、及び座席指定券を予約することをおすすめします!
(ベルニナ・エクスプレスのチケット購入ページはこちら

乗車券だけでなく、座席指定券の予約も必須であるため、必ず忘れずに2つのチケットを購入しましょう。

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なお、「スイストラベルパス」を購入済みの場合は座席指定券のみの購入になります!

また、夏季と冬季とでは運行の時間や運行本数に大きな違いがあります。

特に冬季に乗車する場合は運行本数そのものが少なくなるため、なるべく起点となる町(スイス:サンモリッツ、イタリア:ティラーノ)で前泊するなど、余裕を持った行程を組む方が無難でしょう。

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そもそも日本と違い海外の鉄道は”正確”とは言い切れないので、時間に余裕を持った行動を心がけましょう!

参考文献・注意事項