こんな方にオススメの内容!
- そもそも忍野八海が何なのかを知りたい!
- なぜ忍野八海が世界遺産になったのか理由を知りたい!
- 忍野八海と富士山の関係性が気になる!
- 富士山周辺への旅行を計画している!
- 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
遺産ポイント
- 世界遺産「富士山」の構成資産の一部として世界遺産に登録された!
- 忍野八海は星との関係がある!?
「忍野八海(おしのはっかい)」とは
対象となる世界遺産 | 『富士山 ー 信仰の対象と芸術の源泉』の構成資産の一つ |
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登録年 | 2013年 |
所在国 | 日本(山梨県) |
登録ジャンル | 文化遺産 |
忍野八海をものすごく簡単に説明すると、湧水(わきみず)でできた8つの池の総称です。
ちなみにこれら8つの池は、なんと「北斗七星+北極星」を表しているのです!
- 出口池(でぐちいけ):北極星
- その他の池:北斗七星
始まりは、大寄友右衛門(おおよりともえもん)という人物が、八大龍王(はちだいりゅうおう)という王様をまつる際に北斗七星と北極星の形になるように池を選んだことだとされています。
現在見られる忍野八海は、もともとは宇津湖(うつこ)と呼ばれる一つの大きな湖でした。
忍野八海が富士山の近くにあることからもわかるように、宇津湖は富士山のすぐ近くにかつて存在した湖だったのです。
そして当時の富士山は現在とは比べ物にならないぐらい頻繁に噴火活動をしていました。
その噴火のたびに、この宇津湖に溶岩が流れ込んだのです。
まず宇津湖は、富士山の噴火の影響で「忍野湖」と「山中湖」の2つに分裂します。
その後も忍野湖は、富士山の噴火や地殻変動の影響を受けてほぼ消失してしまいました。
しかし、富士山の雪解け水などが地下水となり、その水を水源とする湧水がいくつもできたのです。
この湧水こそ、現在忍野八海で見られる8つの池なのです!
この湧水は富士山の地下にある溶岩などでろ過されて、綺麗な水が湧水として出てきているのです。
世界遺産に登録された理由
忍野八海の中心部からは富士山をよく眺められる
忍野八海が世界遺産に登録された理由は大きく下記の3つに分けられます。
- 富士山を水源とする美しく豊かな水が見られる!
- 富士山を背景に川や湧水による美しい水景を見ることができる!
- 富士山周辺に暮らしている人々の暮らしの一部として機能している!
今更ではありますが、忍野八海は単体で世界遺産に登録されているわけではありません!
2013年に世界遺産に登録された「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の25の構成資産の一つに忍野八海が入っている形になります。
例えば、京都にある「清水寺」は「古都京都の文化財」という世界遺産の構成資産の一部として世界遺産に登録されています。
奈良にある「東大寺」も「古都奈良の文化財」の構成資産の一部です。
一方で、同じく奈良にある「法隆寺」は「古都奈良の文化財」とは別枠で世界遺産に登録されています。
前述の「忍野八海(おしのはっかい)とは」で詳しく触れましたが、現在見られる忍野八海の池は富士山の雪解け水による湧水が主な水源です。
そしてこれらの池が誕生したことで、水面に映し出される美しい富士山を見ることができます。
さらに、忍野八海の池は忍野周辺に暮らす人々の貴重な生活水としても役立ってます。
なお、富士山が世界遺産に登録された理由や魅力に関しては下記の記事で詳しく解説しています!
合わせて読みたい!【富士山 | なぜ自然遺産ではなく文化遺産?】世界遺産の評価ポイントを小学生でもわかるように解説!忍野八海の8つの池(湧水)の詳細
忍野八海の中心部にある「中池(なかいけ)」は常に観光客で賑わっている
忍野八海にある8つの池は全て国指定天然記念物に認められていますが、見た目を含めて全て異なる特徴を持っています。
もし忍野八海を訪れる予定がある方は、ぜひ事前にそれぞれの池の成り立ちや魅力を押さえてから訪れてみてください!
なお、各池にはそれぞれ別の神様がまつられているので合わせて載せておきます。
一番霊場:出口池(でぐちいけ)
祭神:難陀竜王(なんだりゅうおう)
- 桂川の水源の一つ
- 8つの中で最も面積が広い
- 他の7つの池からは離れている
- 北極星を意味しているとされる
- 後方がすぐ山で、林の中には出口稲荷大明神(でぐちいなりだいみょうじん)の神社がある
ニ番霊場:お釜池(おかまいけ)
祭神:跋難陀竜王(うぱなんだりゅうおう)
- 8つの池の中で最も小さな池
- 名前の由来は「釜の中で熱湯が沸騰する様に湧水していた」
- 水量が豊富
- 水深が青いのが見てわかる
- バイカモが揺れ動く景色が見られる
三番霊場:底抜池(そこなしいけ)
祭神:娑加羅竜王(しゃがらりゅうおう)
- 「はんの木林資料館(有料)」という施設の中にある
- 一番昔の風景を保っている
- 底は分厚い泥に覆われている
- 底の部分が「お釜池」と繋がってる?
昔から底抜池に落とし物をすると、隣のお釜池に浮かび上がってくるという現象が度々起きていました。
なので、この底抜池とお釜池が底の部分で繋がっているという話が伝わっています!
ちなみに「はんの木林資料館」には展望台が設置されており、展望台からは富士山や忍野八海などを一望することができます!
四番霊場:銚子池(ちょうしいけ)
祭神:和脩吉竜王(ばーすきりゅうおう)
- 縁結びの池と言われている
- 池の底から砂を巻き上げて水が沸いているのが見える
- 名前の由来は、銚子を持ったまま身を投げた花嫁の伝説から来ている or かつては銚子の形に似ていたとされるため
五番霊場:湧池(わくいけ)
祭神:徳叉迦竜王(たくさかりゅうおう)
- 忍野八海一の湧水量を誇る
- 周辺にはお土産屋などが軒を連ね最も賑わっている池
- ニジマスなどの多くの魚が泳いでいる姿が水面から見られる
- 近くに水車小屋がある
- 1983年にNASAが宇宙で雪を作る実験の水として使われた
湧池はかつて富士山が大噴火した際に、人々の命と生活を支えるために溶岩の間から湧き出てきた、という伝説が残っています。
六番霊場:濁池(にごりいけ)
祭神:阿那婆達多竜王(あなばだったりゅうおう)
- 1800年頃は濁っていたが今は透き通っていて美しい
- 少なからず今も底から水が湧いている
- みすぼらしい行者が一杯の水を求めて断られた結果、水が濁ったという伝説がある
七番霊場:鏡池(かがみいけ)
祭神:摩那斯竜王(まなしんりゅうおう)
- 他の池と比べて湧水の量が少ない
- 見る角度によって水面に富士山が映る「逆さ富士」が見られる
- 全ての物事に対して善悪を見極める力が秘められているとされる
八番霊場:菖蒲池(しょうぶいけ)
祭神:優鉢羅竜王(うはらかりゅうおう)
- ショウブなどの植物が生い茂っている
- ショウブを身体に巻いて祈願すれば病気が治るという伝説がある
- 忍野八海の中心地から少し離れているため静か
中央の池(中池)は忍野八海に含まれない(世界遺産でもない)
忍野八海の中心に位置する、非常に透明度の高い池が中池(なかいけ)です。
水深は約10mもあり、ニジマスやイワナなどの魚が泳いでいる姿を見ることもできます!
しかし残念ながら中池は忍野八海の8つの池には入っておらず、世界遺産にも登録されていません。
中池は他の池とは違い、人工的に作られた池です。
そのため富士山との関わりが薄い池となってしまい、世界遺産からは外れてしまいました。
とはいえ、富士山の湧水であることは間違いありませんし、透明度が高く綺麗な池であることは事実です。
周辺にはお土産屋さんも多くあるので、一度訪れる価値はあります!
まとめ
- 富士山の噴火&湧水の発生によって誕生した8つの池!
- 「富士山」の構成資産の一部として世界遺産に登録された!
- 富士山を水源とする美しく豊かな水が見られる!
- 富士山を背景に川や湧水による美しい水景を見ることができる!
- 富士山周辺に暮らしている人々との暮らしの一部として機能している!
おまけ:忍野八海へのアクセス(東京・新宿起点の場合)
【電車&バスの場合】
- 新宿駅(中央線) – 大月駅下車(約90分)
↓ - 大月駅(富士急行大月線) – 富士山駅(約50分)
↓ - 富士山駅前からバスの乗車(内野行きに乗り、「忍野八海入口」バス停にて下車)
【自家用車の場合】
- 新宿(中央自動車道)- 大月JCT経由 – 河口湖(所要時間:約100分)
↓ - 河口湖(下道) – 忍野八海(所要時間:約20分)
ただし自家用車で訪れる場合は、必ずしも忍野八海近くの駐車場に車を停められるとは限りません。
忍野八海近くの駐車場は休日となると午前中で満車になるので、なるべく朝一で訪れることをおすすめします。
ただしもし万が一近くに停められなかったとしても、忍野八海から徒歩約10分圏内に駐車場がたくさんあるので、全く停められないということはありません!
参考文献・注意事項
- 当記事は100%正しい内容を保証するものではありません。一部誤った記載が存在する可能性があることをあらかじめご了承ください。