こんな方にオススメの内容!
- なぜマラケシュ旧市街が世界遺産に登録されたのか理由が気になる!
- 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
- 世界遺産検定の受験を考えている!
- モロッコに興味関心がある!
- 次の旅行先の候補地を探している!
遺産ポイント
- マラケシュの街の土台が築かれたのはムラービト朝時代!
- 現在のマラケシュでも見られる建造物の多くがムワッヒド朝時代に建てられたもの!
- 「ジャマーア・エル・フナ広場」はマラケシュの中心地であり街のシンボル的存在でもある!
「マラケシュ旧市街」のプロフィール
登録名称 | マラケシュ旧市街 |
---|---|
登録年 | 1985年 |
所在国 | モロッコ |
登録ジャンル | 文化遺産 |
登録基準 | (i)(ii)(iv)(v) |
マラケシュ繁栄の歴史を紐解く
赤土のレンガで造られた家屋が立ち並ぶマラケシュの街並み
マラケシュは1071〜1072年にかけてベルベル人がおこした「ムラービト朝」の王様が築いた都市(当時は首都)です。
また今回紹介する「マラケシュ」という都市の名前は、ベルベル語で「神の国」を意味しています。
ちなみにマラケシュは同国北部にある都市「フェズ」に次ぐ歴史を持つ都市です!
マラケシュの街の土台を築いたムラービト朝時代
マラケシュの旧市街地の雰囲気
12世紀前半に一時代を築いたムラービト朝は、西サハラからイベリア半島南部(現在のスペイン)までを占領しました。
そしてこの占領によって、ムラービト朝の占領下はイベリア半島&大西洋沿岸&東サハラを結ぶ交通の要衝として発展していったのです!
一時代を築いたムラービト朝でしたが、ムラービト朝時代に建てられて現在もその姿を見ることができる建造物は、2階建ての霊廟である「グッバ・バアディン」など数件のみなのです。
現存する歴史的建造物が多く建てられたムワッヒド朝時代
マラケシュのシンボル的存在であるクトゥビーヤ・モスクの「ミナレット」
1147年にマラケシュを統治していたムラービト朝を滅ぼして、その後一時代を築いたのが「ムワッヒド朝」でした。
そして、このムワッヒド朝の統治によってムラービト朝時代に建てられた建造物の多くが破壊されてしまったのです。
ムワッヒド朝が統治した時代もマラケシュは引き続き首都として栄えて、文化&政治&経済の中心地として繁栄していきました。
マラケシュの街は、全長約20kmの城壁に囲まれている城郭都市(じょうかくとし)です。
この城壁内には、赤土のレンガでつくられた民家がひしめき合っています。
この景観を見た数多くのヨーロッパの詩人から、「マラケシュは美しい街」として賞賛されていたほど美しい景観が広がっています。
そしてこのムワッヒド朝時代には、現在もマラケシュのシンボル的存在になっている「クトゥビーヤ・モスク」が建てられました!
(クトゥビーヤ・モスクの詳細に関しては後述で解説します)
その後1269年にマリーン朝に滅ぼされるまでの間ムワッヒド朝は繁栄を続けました。
世界遺産に登録されている主な建造物
マラケシュの夕景は美しく観光の目玉の一つ
ジャマーア・エル・フナ広場
数多くの人で賑わいを見せる「ジャマーア・エル・フナ広場」
マラケシュで最も人気の高い観光スポットと言っても過言ではない広場が、「ジャマーア・エル・フナ広場」です!
ムラービト朝時代から街の中心にある広場で、ムラービト朝時代には「公開処刑場」として使われていたため、「死者たちの集会」という意味を持つ名前になりました。
現在は、多くの屋台などが立ち並び世界中の観光客で賑わっています。
また広場で行われている文化的な営みは、「ジャマーア・エル・フナ広場の文化的空間」として”無形文化遺産”に登録されています!
(無形文化遺産に関してはこちらの資料を参考にしてみてください)
ちなみにフナ広場が一望できる場所として「Le Grand Balcon Cafe Glacier」というカフェが大人気です!
クトゥビーヤ・モスク
マラケシュ最大級のモスクである「クトゥビーヤ・モスク」
前述の「現存する歴史的建造物が多く建てられたムワッヒド朝時代」でも少し出てきた「クトゥビーヤ・モスク」ですが、ムワッヒド朝時代に建てられ現在もマラケシュの街のシンボルの一つとして市民や観光客に愛されています!
クトゥビーヤ・モスクの特徴は下記になります。
- 高さ77mのミナレットは街のどこからでも見ることができる!
- 幅に対する高さが1対5の均等の取れたデザインが特徴の「古典モロッコ様式」が採用されている!
- 宗教的な事情により装飾はとても簡素に仕上がっている!
また装飾は簡素だったものの建設当初は頂点のドームには純金製の玉飾りが並んでいたそうです。
アグノー門
旧市街の入り口に建つ歴史ある門「アグノー門」
マラケシュには19もの門が現在も存在していますが、その数ある門の中でも最も有名なのが「アグノー門」です!
アグノー門は、ムワッヒド朝時代に建てられた装飾の美しいアーチ状の門で、マラケシュにある門の中で最も豪華な門と言われています。
この門はもともと、城壁内にある宮殿に向かうための入り口として造られました。
本日の確認テスト
(「世界遺産検定」の概要についてはこちらの資料を参考にしてください)
2級レベル
マラケシュの中心的な広場であり無形文化遺産にも登録されている広場の名称として正しいものはどれか。
- サン・マルコ
- ジャマーア・エル・フナ
- ソカロ
- トラファルガー
②
答え(タップ)>>1級レベル
『マラケシュ旧市街』に関する説明として正しいものはどれか。
- マラケシュは1071〜1072年にかけてムワッヒド朝の王様が築いた都市である。
- ムワッヒド朝時代に建てられたアグノー門はもともと宮殿に向かうための入り口としてアーチ状に建てられた。
- マラケシュという都市の名前はケチュア語で「神の国」を意味している。
- ウマイヤ・モスクは高さ77mのミナレットや古典モロッコ様式のデザインを取り入れている。
②
答え(タップ)>>※「3,4級」レベルのトレーニングテストは対象外になります。
「マラケシュ旧市街」のまとめ
- マラケシュの街は主にムラービト朝とムワッヒド朝の時代に築かれた!
- 現存する建物の多くがムワッヒド朝時代に建てられたもので世界遺産に登録されている建造物も多い!
- 街の中心的広場の「ジャマーア・エル・フナ広場」は無形文化遺産にも登録されている!
- 「クトゥビーヤ・モスク」は大きなモナレットを持つ街のシンボル的存在!
おまけ:マラケシュのプチ観光情報
人口 | 約93万人(千葉市と同じぐらい) |
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最寄の空港 | マラケシュ・メラナ空港 |
観光のベストシーズン | 3〜5月、9〜11月 |
治安 | 普通(アフリカの中では比較的良い方) |
物価 | 比較的安い(日本の1/2ほど) |
時差 | 9時間(東京 – マラケシュ間) ※日本の方が9時間進んでます。 |
マラケシュの治安はアフリカの国の中では良い方ですが、軽犯罪(スリ、置き引きなど)はよく発生するため荷物の管理は厳重にしておきましょう。
常に世界中の観光客で賑わいを見せるマラケシュの中心「フナ広場」
マラケシュ周辺の観光スポットとしては、マラケシュと同じく世界遺産に登録されている「アイトベン・ハドゥ」の玄関口となる「ワルザザード」、サハラ砂漠の玄関口にもなる「メルズーガ」などが挙げられます。
サハラ砂漠観光をしたい方は、ほぼ間違いなくマラケシュに立ち寄ることになると思います!
マラケシュまでのアクセス
マラケシュからはサハラ砂漠にアクセスすることもできる
残念ながら、日本からマラケシュへの直行便は就航していません。
そのため、最低でも1回の乗り継ぎをしてアクセスすることになります。
- 日本の各空港 ⇨ パリ、イスタンブール、他 ⇨ マラケシュ・メラナ空港(フライト時間:約18時間)
- 日本の各空港 ⇨ ドーハ、ドバイ → カサブランカ(モロッコ最大の都市)、マドリード ⇨ マラケシュ・メラナ空港(フライト時間:約22時間)
また、「マラケシュ・メラナ空港」はマラケシュの中心部に非常に近いため、タクシー利用でわずか10〜15分ほどで市内中心部に着くことができます。
ただしタクシー以外の公共交通機関はあまり充実していなため、 曜日や時間帯によっては混雑する場合があります。
ですので、空港に着いたらまず最初にタクシー手配に動くことをおすすめします。
マラケシュのおすすめホテル:リアド・ダール・アニカ(Riad Dar Anika)
○宿泊ポイント
- 旅行口コミサイトで常に上位に君臨するマラケシュを代表する大人気ホテル!
- モロッコの伝統を感じる歴史的な建物に宿泊できる!
- フナ広場などの観光スポットへのアクセス抜群!
「リアド・ダール・アニカ」は、「リアド」というかつて邸宅だった建物を宿泊施設に改修したホテルです。
つまり、モロッコ伝統の家屋に宿泊することができるのです!
リアドと呼ばれる宿泊施設は他にもたくさんありますが、その中でも特に高級ホテルに分類されるのが当ホテルになります。
せっかくモロッコを訪れたのなら、その国ならではの宿泊施設を選んでみてはいかがでしょうか。
また、観光スポットへのアクセス面が抜群に良いです!
「フナ広場」「クトゥビーヤ・モスク」「バヒア宮殿」
こういった人気観光スポットは徒歩圏内(5〜15分)です。
このようにホテル自体の魅力が非常に高いのと、抜群の立地であることから、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」では常に上位に位置する大人気ホテルになっています!
引用:リアド・ダール・アニカ公式HPの客室紹介より
参考文献・注意事項
- 当記事の内容は「世界遺産検定1級公式テキスト<上>」と「世界遺産検定1級公式テキスト<下>」を大いに参考にしています。
- 当記事は100%正しい内容を保証するものではありません。一部誤った記載が存在する可能性があることをあらかじめご了承ください。