こんな方にオススメの内容!
- なぜ「ホイアン」が世界遺産に登録されたのか理由が気になる!
- 日本との深い繋がりがあるホイアンの歴史を知りたい!
- 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
- 世界遺産検定の受験を考えている!
- ベトナムへの旅行を考えている!


遺産ポイント
- ヨーロッパやアジアの貿易の拠点として繁栄!
- 日本が朱印船貿易の中継地点として使っていた街!
- 来遠橋(日本橋)など日本にゆかりのある建物がある!
「ホイアン」のプロフィール
登録名称 | 古都ホイアン |
---|---|
登録年 | 1999年 |
所在国 | ベトナム |
登録ジャンル | 文化遺産 |
登録基準 | (ii)(v) |
そもそもホイアンとは

ホイアンはランタンの街としても有名
ホイアンとは、ベトナム中部に位置するベトナムを代表する古都です。

ホイアンはトゥボン川沿いに街が形成されており、16〜19世紀にかけて川を利用した貿易が盛んに行われてました。
(具体的な貿易の内容などは、後述の「交易路や文化交流の中心として栄えた歴史」で詳しく解説します)
そして川沿いにはホイアンの伝統的な家屋が立ち並び、旧市街地として世界遺産に登録されているのです。

なお現在の貿易の中心都市は、ホイアンから車で約30分ほどで着く「ダナン」というベトナム第3の都市に代わってます。
またホイアンは「ランタンの街」として知られており、現在でも夜には無数のランタンの明かりが灯る幻想的な景色を見ることができます。
今回の世界遺産登録理由とは直接関係ありませんが、ホイアンのランタンの詳細に関しては、後述の「ホイアン名物「ランタン祭り」とは」で詳しく解説してます。
ホイアン旧市街が世界遺産に登録された理由

上空から見たホイアン旧市街
ホイアンが世界遺産に登録された理由は、大きく分けて下記の2点になります。
- アジア圏とヨーロッパ圏の貿易の架け橋になった歴史
- 伝統的な美しい街並み
ホイアンに伝統的な美しい街並みがつくられた背景には、交易の拠点として栄えた歴史があったからこそなのです!

近年経済発展が著しいベトナムにおいて、ホイアンのような古都は決して多くは残っていません。
ベトナムの貴重な歴史を感じられる街という意味でも、一度はホイアンを訪れる価値がありますね。
交易路や文化交流の中心として栄えた歴史

旧市街の中心を流れる「トゥボン川」沿いの街並み
前述の「そもそもホイアンとは」でも触れたように、ホイアンは16〜19世紀にかけて交易の拠点として大きく繁栄しました。
そしてなによりホイアンで行われていた交易は、「アジア – ヨーロッパ」を結ぶ重要な拠点となっていたのです!

16世紀当時のヨーロッパは、まだ東アジアとの交易が盛んに行われてはいませんでした。
そのためヨーロッパ諸国は、東アジア圏のどこかの都市に交易の拠点となる都市を探していました。
そこでヨーロッパが目をつけたのが、ベトナムのホイアンだったのです!

ホイアンの街の中心にはトゥボン川が流れています。
そしてこの川は、わずか数km下るとすぐに海にたどり着きます。
つまり、海から川をつたって簡単にホイアンの中心部までアクセスできるため、効率よく人や物資を運ぶことができたのです!

またヨーロッパだけでなく、アラブ圏やインドなどの国々の船も頻繁に立ち寄りました。
このような背景から当時のホイアンは、現在のベトナム最大の貿易港であるダナンに負けず劣らずの一大港として大きく繁栄したのです!

このように交易の拠点として繁栄したり、文化交流が盛んに行われた歴史に価値があると評価され、登録基準(ii)が認められて世界遺産登録に至ったのです!
(世界遺産登録基準に関しては、こちらの記事で詳しく解説してます)
伝統的な家屋が立ち並ぶ美しい街並み

家屋の壁は黄色で統一されている
前述の「交易路や文化交流の中心として栄えた歴史」で解説したように、ホイアンはアジアやヨーロッパの交易拠点として大きく繁栄しました。
さらに街が繁栄するとともに、トゥボン川沿いを中心に多くの家屋が建てられ始めていったのです!

ホイアンには古くから隣国の中国人が多数暮らしていました。
その影響もあって、現在でも見られる家屋の多くが中国風の建物に似せて造られています。


ホイアンの家屋は、屋根が赤色の瓦で、壁は黄色で統一されています。
このように家屋を建造する際に統一されたルールがあったからこそ、より美しい街並みを生み出しているのです。
さらに夜になると、伝統的な家屋に飾られたランタンが一斉に明かりを灯して、幻想的な世界を見せてくれます。
ホイアンと日本は深い関係がある!?

日本の職人が建てたとされる「来遠橋(別名:日本橋)」
ホイアン旧市街のシンボルとして有名なのが、「来遠橋(らいえんばし)」という木造の小さな橋です。
この橋は、別名「日本橋」とも呼ばれています。
このように呼ばれる理由としては、日本の職人が建造したとされているからです!



ヨーロッパや中国と同様に、実は日本も16〜17世紀にホイアンで様々な国と貿易を行っていました。
日本が行っていた貿易を「朱印船貿易(しゅいんせんぼうえき)」と言います!
朱印船とは、海外渡航の許可を得た船のことを指し、それらの船が海外諸国と貿易を行っていたのです。

最盛期にホイアンには、なんと約1,000人もの日本人が暮らしていたと言われています。
当時のホイアンの人口を考えると、全体の人口の日本人比率は非常に多かったとされています。

本日の確認テスト



(「世界遺産検定」の概要についてはこちらの資料を参考にしてください)
2級レベル
日本人の職人が建造したと考えられる建物の名称として正しいものはどれか。
- 南湖書院
- 来遠橋
- 宗廟
- 祈年殿
②
答え(タップ)>>1級レベル
『古都ホイアン』に関する説明として正しいものはどれか。
- 家屋には中国の伝統建築とヨーロッパの建築様式が混ざっている。
- 18世紀には金融業の中心として栄えた。
- 私塾として使われていた家屋が川沿いを中心に立ち並んでいる。
- 16〜17世紀には日本が朱印船貿易の中継地点として使っていた。
④
答え(タップ)>>※「3,4級」レベルのトレーニングテストは対象外になります。
まとめ

- 16〜19世紀にトゥボン川を中心とした海外諸国の交易の拠点として栄えた!
- 赤い瓦屋根と黄色い壁に統一してつくられた家屋が並ぶ美しい街並みも世界遺産登録の要因の一つ!
- 「来遠橋(日本橋)」が建造されるなど日本と繋がりのある歴史も持つ!
- 日本もホイアンで朱印船貿易を行う中継地点として活用していた!
おまけ:「ホイアン」のプチ観光情報

ホイアン3大名物の一つ「揚げ春巻き」
人口 | 約15万人 |
---|---|
最寄の空港 | ダナン国際空港 |
時差 | 2時間(東京 – ハノイ間) ※日本の方が2時間進んでます。 |
通貨 | ドン |
観光のベストシーズン | 3〜7月(乾季のため雨が少ない) |
治安 | 比較的良好(スリなどの軽犯罪には要注意) |
物価 | 安い(日本の約1/3) |
旧正月に入ると多くの観光客で賑わうため、街散策がしづらくなったり、ホテルの予約が取りづらくなったりします。
その年によって旧正月のスタート日は異なるため、必ず事前に日にちをチェックして、旧正月は避けるように日程を組んだほうが良いですね。

またホイアンの旧市街を歩く際には、入場チケットの購入が必要です。
料金は「約600円」と、ベトナムの物価を考えると少し高いです(外国人観光客向け料金といったところですね)。
チケット売り場は旧市街にいくつか点在していますが、人気観光スポット「来遠橋(日本橋)」に隣接しているチケット売り場がメジャーな売り場になります。

ホイアン旧市街に入る際に購入するチケット
ホイアンまでのアクセス

ホイアンの最寄り空港がある「ダナン」の街並み
ホイアンの最寄り空港である「ダナン国際空港」までは直行便が就航しています。
【直行便】
- 成田 ⇨ ダナン(フライト時間:約5時間半)
- 時期によっては羽田や関空からも直行便が就航しているケースもある。
【経由便】
- その他の空港 ⇨ ハノイ、ホーチミン(ベトナム国内線での乗り継ぎ) ⇨ ダナン国際空港(フライト時間:約6時間半〜8時間)
仮に経由便利用であっても、「ハノイ – ダナン」「ホーチミン – ダナン」間のフライトは非常に充実しているため、スムーズな乗り継ぎが可能です。
ダナンからホイアンまでは車で約1時間と、東京駅から千葉駅に行くぐらいの近さです。
ダナンからホアインまでのアクセス方法は、下記などが挙げられます。
- ツアー利用(バスやワゴン車)
- タクシー
- 宿泊ホテルの無料送迎バス
⇨ビーチ沿いの高級ホテルに宿泊する場合「ホテル – ダナン」「ホテル – ホイアン」の送迎サービスが付いていることがよくあります。

とはいえベトナムは非常に物価が安いため、タクシーをチャーターしても日本でチャーターする場合の約1/4ぐらいの料金で済みます。
またホイアンの街自体が非常にコンパクトなため、ツアーを利用しなくてもメジャーな観光スポットは徒歩で一通り回れます。


ホイアン名物「ランタン祭り」とは

夜は町中のランタンに明かりが灯り幻想的な姿を見せる
ランタンの明かりが灯る街として人気のホイアンですが、そのランタンを主役とする「ランタン祭り」が毎月行われています。
ランタン祭りとは、日本で言う「お盆」に似た風習で、先祖を敬うためのお祭りです。
このランタン祭りを目的に、世界中から多くの観光客が押し寄せます。
ランタン祭りの特徴は以下の通りです。
- 市街地の明かりがほぼ消されるためランタンの灯りの幻想的な世界を楽しめる!
- 通常日よりもより美しい「灯籠(とうろう)流し」を見ることができる!
- 通常日で見られるランタンよりもより多くの種類のランタンを見ることができる!

このランタン祭りは毎月開催されますが、月によって開催される日にちが異なります。
ランタン祭りに合わせてホイアンを訪れたい場合は、事前にランタン祭りのスケジュールを、旅行会社のホームページなどで確認しておきましょう!

【ランタン祭りの注意点】
- 街の明かりがほぼランタンの灯りだけになるため、足元が見づらくなり通常日と比べて歩行に注意が必要です。
- 多くの人でごった返すため、スリなどの軽犯罪には要注意です。
- ランタン祭りの日に合わせて世界中から観光客が訪れるため、ホテルやレストランの予約が取りづらくなります。必ず事前に予約しておきましょう。
実はホイアンはビーチリゾートとしても人気

ホイアンを代表するビーチ「アンバンビーチ」
ホイアンの魅力は、なにも世界遺産に登録されている旧市街だけではありません。
実は”ビーチリゾート”という顔も持っているのです!

前述の「交易路や文化交流の中心として栄えた歴史」で少し触れたように、ホイアンは非常に海に近い街です。
そのため、旧市街地からすぐビーチにもアクセスできます。
さらに近年は隣町のダナンの影響も受けて、ビーチ沿いで大規模なリゾート開発が行われています!

ホイアンで人気のビーチとしては下記の2つが挙げられます。
- クアダイビーチ
- アンバンビーチ
ビーチ沿いには3〜5つ星ホテルが数多く連なり、世界中から訪れる観光客で賑わっています。
ダナンのビーチとの大きな違いは、現地の人はほとんどいなく海外からのお客さんが中心である点です。
そのためホイアン旧市街とは異なり、比較的飲食代などが割高に設定されています。

物価が高くなるとはいえ、まだ日本よりか安いですし、高級ホテルでも一人1泊1万円代から宿泊が可能なので、日本や欧米で過ごすよりも贅沢なリゾートライフを過ごすことができます!
ホイアンおすすめホテル①:ヴィンパール・リゾート&スパ・ホイアン(Vinpearl Resort & Spa Hoi An)
○宿泊ポイント
- クアダイビーチ沿いに位置する大型5つ星ホテル!
- 広大なプールや複数のレストランなど施設が充実!
- 一人1泊1万円以下で宿泊が可能!
ビーチ沿いに位置するホテルの中でも、特に人気のホテルです。
ホテルの魅力は、なんといっても抜群のコスパです!
施設が充実している5つ星ホテルであるにもかかわらず、1泊1万円ほどで宿泊ができてしまいます(時期や客室カテゴリーによる)。
コスパの良いホテルということもあり、ファミリーやグループ旅行でよく利用されています。

またリーズナブルな客室から、オーシャンビューの客室、さらにプライベート空間重視のヴィラタイプ客室など、多種多様な客室を完備している点も特徴です!

引用:ヴィンパール・リゾート&スパ・ホイアン公式ホームページより
- ヴィンパール・リゾート&スパ・ホイアン

ホイアンおすすめホテル②:アナンタラ・ホイアン・リゾート(Anantara Hoi An Resort)
○宿泊ポイント
- リバービューが魅力の清潔感ある4つ星ホテル!
- 世界遺産の旧市街が徒歩圏内の立地!
- 可愛らしい内装や外観が女性を中心に人気!
旧市街に程近く、川沿いの心地よい風を感じながら宿泊できる4つ星ホテルです。
木々や川に囲まれているため、旧市街に近いながらも静かでゆっくりとしたホテルライフを楽しめます!

また、オシャレな洋風な外観やスパ施設が充実していることから、女子旅で利用されることが多いです。

参考文献・注意事項
- 当記事の内容は「世界遺産検定1級公式テキスト<上>」と「世界遺産検定1級公式テキスト<下>」を大いに参考にしています。
- 当記事は100%正しい内容を保証するものではありません。一部誤った記載が存在する可能性があることをあらかじめご了承ください。