こんな方にオススメの内容!
- 世界の絶景に興味がある!
- ワディラムが世界遺産登録された理由を知りたい!
- 教養として世界遺産に関する知識を身につけたい!
- 世界遺産検定の受験を考えている!
- 中東ヨルダン旅行を計画している!


遺産ポイント
- 別名『月の谷』と言われる地球とは思えない砂漠の絶景が広がる
- 約2万5000点もの岩面彫刻や碑文が残り文化遺産としての価値もある
- 現在も遊牧民ベドウィンが伝統的な暮らしを送る
『ワディラム保護区』のプロフィール
| 登録名称 | ワディラム保護区 |
|---|---|
| 登録年 | 2011年 |
| 所在国 | ヨルダン |
| 登録ジャンル | 複合遺産 |
| 登録基準 | (iii)(v)(vii) |
ワディ・ラム(月の谷)とは?

ワディラムとは、ヨルダン南部に広がる、広大な砂漠地帯です。
世界遺産登録名にもなっている「ワディラム」という言葉をわかりやすく分解すると、以下の通りです。
| ワディ | アラビア語で「枯れ川」。普段はカラカラに乾いているが、雨が降ると一気に激しい川に姿を変える。 |
|---|---|
| ラム | この地域の古い呼び名で、「高い」あるいは「高く掲げられた」という意味が含まれる。 |
| 保護区 | ワディラム一帯は国が管理する保護地域に指定されている。 |
まとめると
東京23区がすっぽり入るほどの広大なエリアに、数百万年の歳月をかけて地球が作り出した「天然の博物館」が広がっています。映画『アラビアのロレンス』や『オデッセイ』の舞台にもなり、世界中の映画監督が
「火星を撮るならここしかない!」
と太鼓判を押すほどの絶景スポットです。

なぜ世界遺産?

世界遺産に登録された理由は、主に以下の3点です。

なお、ワディラムの話題に大きく関わってくるのが、現地で暮らしているナバテア人です。
1万2000年にわたる人類の足跡(登録基準:iii)

驚くべきことに、なんと1万2千年も前から人類がワディラムで活動していた証拠が残されています。その証拠の数は、なんと5万点以上。岩に描かれた作品である約2万5000点もの岩面彫刻、2万点を超える「碑文(石に刻まれた文字)」など、自然環境にある岩をそのまま用いて残されているのです。

描かれている内容は
「今日は鹿を狩ったぞ!」
「ここには水があるぞ!」
など、日常の様子が伺える内容が多め。
当時の人々がどのように土地を利用して、どんな生活を営んでいたのかがわかる重要な資料と言えるでしょう。
また、ナバテア人が残した文字は、現代のアルファベットのルーツの一つとも言われており、歴史的にものすごく重要なのです。
用語メモ
ナバテア人とは、紀元前後にヨルダン周辺で活躍した、商売が得意な民族。断崖絶壁を削って築いた「ペトラ」という世界遺産都市にも暮らしていたことでも有名。過酷な環境での暮らしの様子(登録基準:v)

ワディラムは、広大な砂漠と数多くの岩山が点在する、決して生活しやすいとは言えない過酷な環境です。そんな過酷な自然環境に適応した人の伝統的な暮らしが築かれた点が高く評価されました。
「水が極めて少なく、昼夜の寒暖差が激しい過酷な砂漠で、人間はどうやって生き抜いてきたのか?」
こういった疑問を紐解く資料が、自然環境の中に今なお残されているのです。
岩山などに刻まれた資料をもとに、以下のような生活が送られていたことがわかっています。
- 家畜を育てて暮らす
- 農業を営む
- 岩山をつかった住居の建築
現代でも、この地に住む「ベドウィン」と呼ばれる遊牧民たちは、岩山の影を利用して暑さをしのいだり、わずかな雨水を貯めたりする知恵を持っています。 厳しい自然を「絶望の地」ではなく「生活の場」に変えた、人間と自然の共生の歴史がここに詰まっているのです。
用語メモ
ベドウィンとは、アラブの砂漠で伝統的に移動しながら生活をしている人たちのこと。おもてなしの精神が非常に強いことで知られている。圧倒的な自然の美しさ(登録基準:vii)

燃えるような赤い砂漠と、そこから無数に生えた巨大な岩山のコントラスト。この独特で美しい自然景観が観られる点も世界遺産に登録された大きな理由です。
太陽の光の当たり方で、朝は淡いピンク、昼は燃えるオレンジ、夕方は深い赤へと色がドラマチックに変化します。 さらに、風や雨が長い年月をかけて岩を削り出し、ロックアーチ(天然の橋)、迷路のような細い谷(キャニオン)といった不思議な造形も、ワディラム砂漠のユニークさをより際立たせています。


本日の確認テスト



(「世界遺産検定」の概要についてはこちらの資料を参考にしてください)
2級レベル
遊牧民として現在もワディラムで伝統的な生活を営むアラブ系民族の名前はなにか
- クルド
- ベドウィン
- トゥアレグ
- ベルベル
②
答え(タップ)>>1級レベル
「ワディ」という言葉の意味として正しいものはどれか。
- 燃える砂
- 枯れ川
- 月の谷
- 聖なる山
②
答え(タップ)>>まとめ

- ワディラムとは、別名「月の谷」と称され、火星のような赤い砂漠と巨岩が広がる地球離れした絶景地。
- 登録理由1:約2万5000点もの岩面彫刻や碑文が残り、ナバテア人の活動や文字のルーツを今に伝える。
- 登録理由2:砂漠で生き抜く遊牧民ベドウィンの知恵や、自然と共生する伝統的な生活様式が見られる。
- 登録理由3:時間で色を変える赤い砂漠や天然の橋など、自然が造り出した唯一無二の芸術的な景観。

参考文献・注意事項
- 当記事の内容は「世界遺産検定1級公式テキスト<上>」と「世界遺産検定1級公式テキスト<下>」を大いに参考にしています。
- 当記事は100%正しい内容を保証するものではありません。一部誤った記載が存在する可能性があることをあらかじめご了承ください。
