こんな方にオススメの内容!
- 最近の世界遺産検定の出題形式を知って対策を練りたい!
- 世界遺産検定の勉強の進め方がいまいちわからない!
- 何度受験してもなかなか合格できない!
- 世界遺産検定の受験を考えている!
世界遺産検定の出題形式のポイント
- 級のレベルが上がるほど出題形式の幅が増える(つまり1級は出題形式が多様)!
- 出題形式を知ることで公式書籍の読み進め方がわかる!
- 出題形式が大幅に変更されることはないためテンプレートとして毎回利用でき対策が練りやすい!
出題形式を分析する目的
世界遺産検定に限らず、何かを受験する際には過去の出題形式を分析することは極めて重要です。
なぜなら、出題形式を理解することで効率よく学習に臨むことができるからです!
さらに、自分の頭の中で問題をイメージすることが容易になるため、合格率をぐっと上げることができます。
あらかじめ出題形式がわかっていると
「この部分は出題される可能性が高い!」
「出題者はここを穴埋めにしてくるに違いない!」
このように具体的に的を絞って学習することができるため、出題対象外になる部分を排除して学習時間の節約をすることができるのです!
さらにありがたいことに、世界遺産検定の出題形式は毎回ほぼ同じです!
つまり出題形式が大きく変わることがないため、一度形式を理解してしまえばどの級どの回で受けても使い回しをすることができてしまいます。
ちなみに1級を受験する場合は2〜4級と比べると出題範囲が非常に広いため、それこそ出題形式を理解して的を絞って勉強することが非常に重要な学習ポイントとなります!
ここまでで出題形式を分析することの重要性を解説してきましたが、この後は具体的にどんな出題形式があるのかをいくつかに分けて詳しく解説していきます。
世界遺産検定の具体的な出題形式
スペインを代表する大学都市「サラマンカ」の街並み
用語の穴埋め問題
世界最大級の一枚岩である「ウルル(エアーズロック)」
出題形式ポイント!
- 公式書籍で赤字or太字になっている部分の用語が出題される傾向が高い。
- 1級のみ赤字にも太字にもなっていない用語が出題されることがある。
- 正解以外の選択肢は他の世界遺産と関わる用語が並べられることが多い。
- 検定対策としては最も学習がしやすい出題形式。
この穴埋め問題は世界遺産検定の鉄板中の鉄板の出題形式です。
そして最もわかりやすい出題形式となります。
なぜなら、基本的には公式書籍で赤字や太字などで強調されている用語や文章を押さえておけばいいからです!
特に1級などで出題されるマイナー世界遺産に関しては、少なくとも赤字や太字の部分だけは押さえておきましょう。
マイナー世界遺産は穴埋め問題で出題されるケースが多いので、メジャーでボリュームのある世界遺産のように全ての文章の内容を把握する必要はありません。
出題形式イメージ
例題
『シドニーのオペラハウス』に関する以下の文章の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
シドニーのオペラハウスはデンマーク人のヨーン・ウッツォンによって建築されたオーストラリアを代表するコンサートホールである。風景との調和がとれた美しさや都市彫刻としての完成度の高さから、人類の傑作として登録基準( )のみで世界遺産登録された。
- i
- iii
- iv
- x
今回の出題の場合だと、公式書籍だと赤字になっているオペラハウスを建築した「ヨーン・ウッツォン」の部分が空欄になる可能性もあります。
また1級だと、公式書籍で強調されていない「デンマーク人」という部分が空欄になる可能性もゼロではありません。
用語そのものを問う問題
マチュピチュ観光の拠点にもなるペルーの古都「クスコ」
出題形式ポイント!
- 公式書籍で赤字or太字になっている部分の用語が出題される傾向が高い。
- 1級のみ赤字にも太字にもなっていない用語が出題されることがある。
- 正解以外の選択肢は他の世界遺産と関わる用語が並べられることが多い。
- 検定対策としては最も学習がしやすい出題形式。
出題ポイントに関しては、前述の用語の穴埋め問題と全く同じです!
唯一の違いは「穴埋め形式なのか、用語選択形式なのか」ぐらいです。
出題形式イメージ
例題
『ブレナム宮殿』の建築を手掛けた人物として、正しいものはどれか。
- エイブラハム・ダービー1世
- エドワード王
- ジョン・ヴァンブラ
- ノルマンディー公ウィリアム1世
こちらの出題形式も前述の「用語の穴埋め問題」同様、必ず複数出題される形式なので強調用語は必ず押さえておきましょう!
文章の内容の正誤を問う問題
無数の洞窟住居が立ち並ぶ幻想的な風景の「カッパドキア」
出題形式ポイント!
- 公式書籍で赤字or太字になっている部分の用語が出題される傾向が高い。
- 1級のみ赤字にも太字にもなっていない用語が出題されることがある。
- 世界遺産の大まかな全体像を把握しておく必要がある。
- 「正しいものを選択」「誤ったものを選択」の2パターンがある。
正誤を問う対象は赤字や太字になっている部分が大半ですが、1級に関しては強調されていないような用語や「国名」「年」がピックアップされることもあります!
また対象の世界遺産の全体から出題される形式になるので、用語の一部だけを把握しておけばいいというわけではありません。
必ず本文全体に目を通しておく必要が出てきます。
とりわけ注意しておかなければならないのが、「正しいものを選択するのか」「誤っているものを選択するのか」、といった出題文に関する点です。
毎回の試験で必ずと言っていいほど
「正しいものを選ぶかと思ってたら誤っているものを選ぶ問題だった…」
このような悲劇に見舞われる方が一定数います(苦笑)
なので出題文そのものにも注意して見ておく必要があります。
出題形式イメージ
例題
『ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩石群』に関する次の文中の語句として、誤っているものはどれか。
国立公園内に多数存在する洞窟群は、ビザンツ帝国の(① イコン破壊運動)などから難を逃れて移り住んだ(② キリスト教徒)が築いた聖堂や修道院である。ギョレメ渓谷には約(③ 30)の洞窟聖堂が現存しており、「リンゴの聖堂」と呼ばれる洞窟聖堂の内壁には「(④ ヴィーナスの誕生)」の壁画が描かれている。
- イコン破壊運動
- キリスト教徒
- 30
- ヴィーナスの誕生
仲間はずれを問う問題
多様な鳥類が生息しているヨーロッパ最大規模の湿地帯「ドナウデルタ」
出題形式ポイント!
- とりわけ1級で出題される傾向が強い。
- ほぼ間違いなく赤字にも太字にもなっていない用語が出題される。
- 世界遺産の大まかな全体像を把握しておく必要がある。
仲間はずれを問う問題は比較的難易度が高いため、1級で出題されやすい形式です(もちろん2〜4級で出題されることもある)。
特にこの出題形式の場合は強調用語になっていない部分が選択肢になることが非常に多いです。
また、仲間はずれを問う問題で対象になりやすいのが同じ部類で3つ以上の選択肢が存在する世界遺産です。
出題形式イメージ
例題
『白神山地』に生息するとされる動物として、誤っているものはどれか。
- クマゲラ
- ニホンカモシカ
- エゾリス
- イヌワシ
この出題形式の選択肢の対象になりやすい部類は、下記などが挙げられます。
- 生息・生育する動植物
- トランスバウンダリーサイトなどによって世界遺産が複数の国にまたがっている場合の所在する国
- 山や海の名称
- 世界遺産に登録されている文化財が複数存在する
- 遺産に関係する複数人の人物名
世界遺産自体や関連する用語の説明の正誤を問う問題
フランス領時代の面影を今なお残すカナダの古都「ケベック」
出題形式ポイント!
- 1〜4級全てで必ず出題される形式のため必ず押さえておく。
- 他の出題形式と比べて出題回数は非常に多いためこの形式で多くの点数を狙える。
- 世界遺産全体の流れを把握する必要がある。
- 「正しいものを選択」「誤ったものを選択」の2パターンがある。
用語の正誤を問う出題形式は必ず複数回出題されるので点数を稼ぐ大きなポイントになります!
ただ単純に用語だけを問う問題と違い、世界遺産の全体像を把握しなければならないため少し難易度は上がります。
出題形式イメージ(世界遺産自体を問う場合)
例題
『パドヴァの植物園』に関する説明として、誤っているものはどれか。
- パドヴァの植物園は建設当初から同じ場所にある世界最古の植物園である。
- 設計は建築家のアンドレア・モロ二が行った。
- イタリアで初めてオリーブやトマトが栽培された場所である。
- ドイツ人の詩人ゲーテはこの地を訪れて椰子の木から独自の自然観を得た。
出題形式イメージ(用語を問う場合)
例題
『世界遺産基金』に関する説明として、正しいものはどれか。
- 世界遺産基金は世界遺産センターが決定する目的のみに使用できる。
- 世界遺産基金の運用基準が「緊急援助」「準備援助」「保全・管理援助」の3つに分けられる。
- 世界遺産条約締約国は4年に1度拠出金を支払わなければならない。
- 世界遺産委員会や世界遺産条約締約国は世界遺産基金の拠出に対して政治的な条件をつけることが可能である。
3つの説明文から世界遺産を推測する問題
ザンビアとジンバブエにまたがる世界三大瀑布の一つである「ヴィクトリアの滝」
出題形式ポイント!
- とりわけ1級で扱われやすい出題形式。
- マイナーな世界遺産が出題対象になりやすい。
- 世界遺産全体の流れを把握する必要がある。
マイナーな世界遺産の出題形式として使われやすいのが特徴です。
ただ聞いたこともないような世界遺産がよく選択肢に使われるので、ある程度全ての世界遺産に目を通していないと解けません(苦笑)
少し難易度は高いものの1級であれば、この形式での出題が複数出されるので避けて通れないのが実情ですね(苦笑)
出題形式イメージ
例題
次の3つの説明から推測される遺産として、正しいものはどれか。
・全住民族のスー族が「霊気に満ちた場所」として恐れていた。
・1872年に世界初の国立公園に指定され、1978年に世界で最初の世界遺産の1つとして登録された。
・マグマ活動が活発で「オールドフェイスフル間欠泉」などの自然現象が観光の目玉となっている。
- イエローストーン国立公園
- イグアス国立公園
- ンゴロンゴロ保全地域
- ヨセミテ国立公園
今回はわかりやすいように正解を比較的メジャーな世界遺産にしましたが、この選択肢全てが聞いたことのない世界遺産になっている場合もよくあります。
ただこの形式での出題の場合は消去法で回答する手が非常に有効です!
例えば今回の出題形式イメージで挙げると、下記のようなイメージです。
- イグアス国立公園は”滝”で有名だから観光の目玉として取り上げるならマグマ活動ではないような。
- ヨセミテ国立公園は”世界初の国立公園”なんて聞いたことないような。
- となると「イエローストーン」または「ンゴロンゴロ保全地域」のどちらかかな。
このように選択肢の中で知っている世界遺産が該当するかどうかを照らしわせて、選択肢を削っていけば正当率は上がります!
対話文から出題される問題
イランを代表するイスラム教の聖地である「イスファハーンのイマーム広場」
出題形式ポイント!
- 世界遺産検定の名物と言っても過言ではない出題形式。
- ”無理矢理問題を作ってる感”のある面白い出題形式。
- 対話文から他の出題形式へと繋ぐ役割を持っているためこの出題形式単体での対策は特に必要ない。
結論から言ってしまうと、この出題形式に対する対策は特に存在しません(笑)
強いて言うなら他の出題形式と同様に
「(赤字・太字などの)強調用語を押さえておく」
「世界遺産全体の流れを把握しておく」
これらで十分対策になります。
対話文の出題形式は、検定問題の作成者が出題したい世界遺産へ”無理矢理繋げるための導線”に過ぎません(笑)
出題形式イメージ
会社の同僚であるマサオとアリサの会話を読んで以下の問いに答えなさい。
マサオ:これで今日の業務は全て片付いた!さて、仕事も終わったことだし、駅前のバーで(a)ワインでも飲んでゆっくりしてから帰ろうかな。
アリサ:本当にマサオはワインが好きだよね!あ、そういえば私、ずっと憧れていた世界遺産の(b)洞窟住居のサッシを観光しに来月イタリアに行くの!
マサオ:そうなんだね!僕が最近気になっている世界遺産は「( 1 )」と「マクマナマナ」という2つの島で構成されている『パパハナウモクアケア』かな。考古学的に重要な定住跡と美しいサンゴ礁という文化と自然の両方を見ることができるんだ!
例題(その1)
太字(a)「ワイン」に関し、世界三大貴腐ワインの1つ「アスーワイン」の産地として有名で、ブドウ畑や村落の景観が世界遺産に登録されているものとして、正しいものはどれか。
- アルト・ドウロのワイン生産地域
- ラヴォー地域のブドウ畑
- ピーコ島のブドウ栽培の景観
- トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観
例題(その2)
太字(b)「洞窟住居のサッシ」に関し、該当するイタリアの都市名として、正しいものはどれか。
- マテーラ
- シエナ
- トリノ
- サンジミニャーノ
例題(その3)
文中の空欄( 1 )に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
- カホオラウェ
- カウアイ
- ニホア
- ニイハウ
このように対話文の中で出てきた用語をうまく使って、世界遺産の出題に結びつけているのがわかるかと思います。
正しい順番への並び替え問題
南極にほど近い世界最大規模の氷河群であるロスグラシアレス国立公園内の「ペリトモレノ氷河」
出題形式ポイント!
- 文化遺産は「歴史・出来事の流れ」自然遺産は「現状や環境の流れ」が出題対象になりやすい。
- 世界遺産全体の流れを把握する必要がある。
- 正直”捨て問題”と考えても大丈夫。
”流れ”に関する出題はほぼ毎回の検定で扱われますが、出題数自体は1件あるかないかぐらいです。
さらに、世界遺産の全体像を把握する必要があります。
出題数が少ないにもかかわらず全体像を把握しなければならないため、正直学習のコスパが非常に悪いですね(苦笑)
そのため、個人的にはそこまで念入りに対策を練る必要はないと考えてます。
この出題形式よりも、前述で挙げた「用語の穴埋め問題」や「用語そのものを問う問題」の方が圧倒的に多く出題される形式なので、それらに力量を割きましょう!
出題形式イメージ
例題
『古都奈良の文化財』の歴史の流れを順番に並べたものとして、正しいものはどれか。
A. 興福寺の造営工事が始まる。
B. 国家鎮護のために東大寺の建造が発願される。
C. 元興寺と薬師寺が旧都の飛鳥藤原地方から平城京に移築される。
D. 唐招提寺の建立が始まる。
- B ⇨ D ⇨ A ⇨ C
- C ⇨ B ⇨ A ⇨ D
- A ⇨ B ⇨ D ⇨ C
- D ⇨ B ⇨ C ⇨ A
ちなみに公式書籍の本文に書かれている内容は、基本的には時代の流れに沿った記載になっています。
なので流れに関する問題は書籍通りになぞって読み進めれば、自然と世界遺産全体の流れを把握することができます!
遺産の所在地を問う地図問題
”東洋のヴェネツィア”とも呼ばれ町中に水路が張り巡らされている中国の古都「蘇州」
出題形式ポイント!
- 遺産の所在地を問う問題のため全ての世界遺産が出題対象となる。
- 「地図好き」ではない限り難易度は高め。
- 日本の世界遺産が問われるケースはほぼない。
この出題形式は、シンプルに各遺産の具体的な所在地を記憶しておけばOKです。
ちなみに遺産の所在地に関しては、公式書籍で紹介されている各遺産ページの端っこに小さく地図が記載されています。
ただし、マイナーな世界遺産に関しては一部地図が記載されていない場合があるので、その時は自分で調べる必要が出てきます(苦笑)
出題形式イメージ
例題
『キリマンジャロ国立公園』の地図上の位置として、正しいものはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
数ある出題形式の中では最もシンプルですが、そもそも出題件数が非常に少ない(多くても2件ほど)ため、学習コストを考えると地図問題は”捨て問題”でもいいかなと個人的には思います。
「出題形式の分析」のまとめ
- 出題形式を把握することで効率的に公式書籍を読み進める方法を理解することができる!
- 1級の出題形式を理解すれば2〜4級にも大いに適用することができる!
- 級のレベルが上がるほどマイナー世界遺産の出題率も上がるため必然的に出題形式も増える!
- 級のレベルが上がると公式書籍で強調用語にされている部分だけでなく世界遺産の全体像を把握してなければ解けない問題が増える!
なお、「出題形式」の分析を終えたら、次のステップとしては「出題傾向」を分析する必要があります!
形式が「問題の出される形」と考えると、傾向は「どのジャンルの問題がどのぐらいの割合で出題されるか」と捉えてみてください!
高校受験や大学受験で言うところの「過去問を解く」に似た対策を練る感じですね。
世界遺産検定の出題傾向に関する詳細は下記の記事で解説しているので、ぜひ併せて読んでみてください!
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